わずか0.8km!「日本一短い地下鉄」なぜ生まれた?「歩けば10分」を30年越しで解消→驚きの効果とは

名古屋に存在する、全国で最も短い地下鉄「上飯田線」。全線わずか800m、1駅で終点という超ミニ路線ですが、その誕生までには「市電廃止」が生んだ30年もの空白期間がありました。名鉄小牧線を救ったV字回復の軌跡に迫ります。

日本最短の地下鉄がもたらした「V字回復」

 こうして上飯田線は2003(平成15)年3月27日に開通しました。御成通線の廃線から約30年かけ、ようやくスムーズな連絡が可能となったのです。運行は小牧線と一体化しているため、普通に乗っていると存在に気がつかない場合も多いでしょうが、名古屋市近郊にすむ筆者(鈴木伊玖馬:乗りもの好きライター)含め、地元の人間からすると無くてはならない路線でもあります。

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名古屋市営地下鉄平安通駅の表示(鈴木伊玖馬撮影)。

 特に御成通線の存在を知る世代にとってはその利便性が非常にありがたいようです。たとえば筆者の父親は、開業直後などは上飯田線に乗るたび「便利になった」と、しきりに口にしていました。

 その重要性を客観的に表しているのが歴代の小牧線の利用者数です。1990年代初期は1日に3万人以上の利用者がいましたが、1997(平成9)年になると約2万8000人に減少。上飯田線の開業前年に当たる2002(平成14)年は2万人台前半まで利用者数が落ち込んでいました。

 しかし2003(平成15)年になると、一転して1日の利用者数は3万人台へと増えています。上飯田線の開業が同年春だったのを鑑みると、V字回復と言ってよいでしょう。さらに2008(平成20)年には1日の利用者が4万人に到達するなど、利用者数増加に大きな効果をもたらしています。

 ちなみに、昼間の運転間隔は15分ごと、すなわち1時間あたり4本です。これは日本の地下鉄で最も少ない運行頻度となっています。

【路線図】短っ!! これが「一駅しかない上飯田線」の概要です

Writer:

愛知県生まれ。飛行機が好きで航空博物館などを取材するうち、自動車関係の記事や取材も手がけるようになる。ホンダ「シビック Type R」のようなホットハッチが好み。

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