「傑作艦」それとも「中途半端」? 日本初なのに賛否両論な重巡「古鷹」型 実は“全く違う名前”で計画されていた

1926年に就役した古鷹型は、小型ながら重武装の傑作艦という評価と、1万トン重巡洋艦と比べて中途半端、という相反する評価のある艦型です。なぜこのような艦が生まれたのでしょうか。

大改装で攻撃力は大幅アップ! しかし…

 その後、古鷹型は1936(昭和11)年から1939(昭和14)年にかけて、大改装を受けました。この時、軽量化優先で発射速度に劣る20cm単装砲6門は、20.3cm連装砲3基6門に換装されています。

 改修後の古鷹型は、演習での砲撃命中率で主砲10門の妙高型や高雄型を上回っていました。九一式徹甲弾の使用と主砲仰角の向上もあり、主砲射程は2万6673mから2万9000mに増大しています。また、61cm魚雷発射管は、旋回式の4連装発射管2基8門となり、強力な九三式酸素魚雷が使用可能となりました。

 しかし、防御面はバルジ装備での水中防御力強化以外は変わっておらず、機関もそのままだったため、速力は32.95ノット(61km/h)まで低下しています。

 太平洋戦争中、「古鷹」「加古」は、1942(昭和17)年8月の第一次ソロモン海戦夜戦で、連合軍艦隊に対して大戦果を挙げます。しかし、その帰路でアメリカ潜水艦の雷撃により、「加古」が撃沈されました。また、残った「古鷹」も1942(昭和17)年10月、ザボ島沖海戦でアメリカ巡洋艦隊の攻撃で大損害を受けて沈没しました。

 軍縮条約の変遷にも大きく翻弄された古鷹型は、「小型ながら重武装の傑作艦」と称賛されることもあれば、「ともすれば中途半端な艦」と評されることもあり、賛否両論です。ちなみにアメリカ軍の評価では「戦闘力は相応に評価できるが、1万トン型重巡と比べれば総じて劣り、特に防御面ではその感が強い」というものでした。

【いいとこ取りか、それとも半端か?】これが重巡「古鷹型」です(写真)

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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