「このバスの色、どこかで見たことがあるぞ…」不思議なバスが集まる“島”のなんともおおらかな世界
世界自然遺産に登録されている奄美大島で、見覚えのある塗装のバスが走っています。全体的には違う塗装、しかし確かに「見覚えがある」――そんな絶妙なバスが走る島を旅しました。
行きと運賃が違う!?
車内は奄美空港へ向かう旅行者のほか、平日の午後だったため学校帰りの高校生も乗っており、かなりの座席が埋まっていました。
奄美空港の手前で運賃を確認するため、フロントガラスの上に掲げられた運賃表示器を眺めました。手元の整理券番号と突き合わせてから、首をかしげました。奄美空港から奄美パークへ向かった往路は大人200円の運賃を支払ったのに対し、帰路に奄美パークから乗り込んだ際に受け取った整理券番号の「28番」は120円と表示されているのです。往路よりも80円安い計算です。
間違いがあってはいけないと思い、下車時に運転手さんに「行きは200円だったのですが、この運賃表示器には120円と書かれているのですが」と確認しました。
すると、運転手さんは「120円でいいです」ときっぱりと言いました。続いて運賃表示器を指さすと「ここ(運賃表示器)に間違って120円と書かれてしまっているので、それより多く取れないのです」と説明しました。
つまり、運賃は200円に設定しているものの、プログラムミスによって運賃表示器に120円と記されるバスでは120円だけ徴収しているというのです。
おそらくこのような珍現象は、運賃表示器のシステムを改修する際に是正されるとみられます。ただ、インバウンド(訪日客)のオーバーツーリズムが指摘されている地域で注目されている「二重価格」を、そのような地域以外で、かつ日本人旅行者でありながら体験できたのは貴重でした。
Writer: 大塚圭一郎(共同通信社経済部次長・鉄旅オブザイヤー審査員)
1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。





コメント