日本唯一「床が回る」360度トレインビュースポットがスゴい! 1周90分、年に一度だけ“高速回転” 「このレストラン、乗りものだな」

すしが店内を回る回転ずし店は日本全国に山ほどありますが、お客さんが回って360度の眺望を楽しめる回転型店舗は今や日本に4店しかありません。うち一つは日本唯一の駅チカ「回るトレインビュースポット」です。

もしも1本早い観光特急を予約していれば…

 ターンテーブルはほぼ窓際を回転しますが、例外なのは個室の脇を通るときです。「全席窓際」と銘打った「フレンチダイニング トップ オブ キョウト」はターンテーブル上にあるのは全て開放型のテーブルで、半島のように突きだした区画にある個室は大きな窓から風景を眺められるものの、床は回らないのです。この個室の向かいには厨房があり、シェフたちが調理する様子を眺められます。

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近畿日本鉄道京都線を走る「あをによし」(大塚圭一郎撮影)

 京都府京丹波町産のシメジを添えた魚料理を平らげた後、メーンディッシュとともに現れたのがクライマックスのトレインビューでした。木造の塔として高さ日本一を誇る東寺五重塔(54.8m)の手前を東海道新幹線のN700AやN700Sが通り過ぎるというJR東海のキャンペーン「そうだ 京都、行こう。」の一場面に出てきそうな光景です。

 京都駅から南下する近鉄京都線には、鉄道友の会の2025年「ローレル賞」に輝いた新型車両8A系が姿を見せました。続いて京都を出発して近鉄奈良へ向かう観光特急「あをによし」19200系が去って行くのを眺め、筆者は「あの列車を予約していたら…」と冷や汗をかきました。

「早い、安い」ランチに慣れた筆者はレストランを13時半に予約し、食事後に京都駅を14時55分に出発する「あをによし」に乗ろうかと一瞬考えました。しかし、コース料理の提供には1時間では足りないのではないかと考え直し、京都発で次の「あをによし」(16時55分発)にしました。もしも14時55分発を予約していた場合、せっかくの「あをによし」の座席を返上せざるを得ない事態に追い込まれていました。

 メーンディッシュは鶏肉と野菜を煮込んだフランスの伝統的な家庭料理「プール・オ・ポ(Poule au pot)」に着想を得た京地鶏と冬野菜の煮込みで、冬場にふさわしく体が温まる一皿です。

 一方で度肝を抜かれたのが、3795円の追加料金がかかるため1人分だけ注文した「極上黒毛和牛フィレ肉」の美味でした。ミディアムに焼いてもらった滋味のある牛肉が看板に偽りなしの「極上」ぶりで、大徳寺納豆のソースと絶妙なアンサンブルを奏でていました。

 料理に満足して食後のデザートを終えた頃、テーブルの位置はスタート地点を通り過ぎて西本願寺の方角に近づこうとしていました。真下の堀川通を走る緑色の京都市バスを見下ろしていると、隣の席から「このレストランは乗りものだな」という声が聞こえてきました。

 確かに、鉄道や路線バスなどの乗りものを眺めていた回転レストランそのものが「乗りもの」でした。値段は張りますが、それだけの価値のある展望とできたての珠玉の料理を堪能できる“走るレストラン”に、大満足の乗りもの体験となりました。

【スゴい絶景…】これが「回転展望レストラン」からの絶景です!(写真)

Writer:

1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。

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