「中国・パキスタン共同開発の戦闘機」いらなくない? “中東屈指の空軍国”がなぜ導入検討 見つめる先は?

サウジアラビアが、パキスタンと中国が共同開発した戦闘機JF-17「サンダー」の導入交渉を行っていると報じられました。しかし、世界屈指の強力な空軍を持つ同国がなぜJF-17を必要とするのか、その背景には複雑な国際情勢が絡んでいるようです。

「サウジが導入」に拭えぬ違和感

 2025年1月7日付のロイターなど複数のメディアは、サウジアラビアがパキスタンとの間で、パキスタンと中国が共同開発したJF-17「サンダー」戦闘機の導入交渉を行っていると報じました。いわゆる西側諸国製の戦闘機を揃えるサウジアラビアが、なぜJF-17を欲しがっているのでしょうか。

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JF-17のブロック1仕様機。2015年にフランスで開催されたパリエアショーにて(竹内 修撮影)

 JF-17のルーツをたどると、旧ソ連のMiG-21に行き着きます。1961(昭和36)年、中国はソ連からMiG-21のライセンス生産権を取得しましたが、その後の中ソ関係悪化でソ連は技術支援を打ち切り。このため中国は残された図面などを元にMiG-21のコピーに取り組み、1960年代後半にJ-7(殲撃7型)として就役にこぎつけました。

 その後、中国は1980年代に入って、小型のレーダーしか搭載できないというMiG-21/J-7の弱点を解消するため、J-7の空気取り入れ口を機首から胴体側面に移して、機首部に本格的なレーダーと火器管制装置を備える「スーパーF7」(超7)の開発に乗り出します。

 当時の中国はレーダーや火器管制装置の技術で欧米やソ連に遅れを取っていたため、スーパーF7の開発は、F-14戦闘機などを開発したアメリカのグラマン社(現ノースロップ・グラマン)などから協力を受けて進められることとなっていました。しかし1989(平成元)年に発生した第二次天安門事件で、アメリカが中国に対する政策を大幅に見直したため、グラマン社をはじめとする欧米企業は技術協力を打ち切り、スーパーF7の開発は頓挫を余儀なくされてしまいました。

 一旦頓挫したスーパーF7ですが、中国の友好国であるパキスタンからの要望で開発が再開されることとなります。スーパーF7の基本設計を流用し、パキスタンとの共同開発という形で誕生したのがJF-17というわけです。就役当初(初飛行は2003年)のJF-17は、MiG-21やJ-7と同様、高い運動性能がウリの戦闘機でした。

 2010年代に就役したブロック2以降のJF-17は、操縦系統がF-15J/DJなどと同じ機械式からデジタルフライ・バイ・ワイヤへ、コックピットも3基の多機能ディスプレイによるグラスコクピットとなるなど、もはやMiG-21/J-7とは別物と言ってよいほどの戦闘機に進化しています。

 またブロック1仕様機の中途生産分から高性能レーダーの搭載や照準ポッドの運用能力の追加などにより、レーダー誘導型の中射程空対空ミサイルや精密誘導爆弾などの運用能力も備えています。価格も1機20~30億円程度と言われており、筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は中小国にとってコストパフォーマンスの良い戦闘機だと考えています。

 しかし、サウジアラビアがJF-17を必要としているようには思えないのです。

【いらなくない?】これが「中パ共同開発の戦闘機」を欲する国の戦闘機です(写真)

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コメント

1件のコメント

  1. ラヴィ戦闘機は米国の「F-16」がベースになっており、イスラエルの独自技術が加わった最新技術が中国へ流出し、その一部が中国製「J-10」戦闘機開発に利用 されていますから、JF-17にも確実に流用されている。

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