「満タン」とは言わない!? 航空機が燃料を「重さ」で計るワケ 安全の裏には2種類の単位の使い分けまで

自動車の給油は「リットル」ですが、航空機は「キログラム」や「ポンド」が主役。なぜ違うのか、知られざる「航空燃料の取り決め」を解説します。

給油時や設計時は「体積」が主役? 場面で変わる計量のルール

 一方で、すべてを重量で解決できるわけではなく、「体積」が使われる場面もあります。

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ジェット旅客機へ燃料補給中の様子(画像:PIXTA)。

 まず機体の設計段階です。燃料タンクのキャパシティ(容量)は、物理的なスペースの問題であるため、体積で計算せざるを得ません。また、給油作業そのものも流量計を用いて、「リットル」や「ガロン」で行われます。ここで面白いのが、燃料の密度は気温によって変化する点です。気温が低ければ密度が高まり、同じ体積でも「重く(エネルギー量が多く)」なり、暑ければ軽くなります。

 このほか、燃焼時の空気と燃料の比率(空燃比)の制御や、エンジンへの燃料流量の計算など、システムの作動面では体積ベースの計算が用いられています。

 パイロットや運航管理者は、燃料を「機体の重さ」として、あるいは「エネルギーの源」として、場面に応じて2種類の単位を使い分けながら安全を支えています。クルマでもモータースポーツの世界では燃料がシビアに扱われますが、三次元の空を飛ぶ航空機にとって、この使い分けはまさに「命に関わる」重要なプロセスといえるでしょう。

【そこにホース繋ぐんだ!】これがオスプレイへの給油シーンです(写真で見る)

Writer:

ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。

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