自衛隊から「護衛艦隊」が消える!? 創設以来の大改編で間もなく誕生の「新艦隊」とは イージス艦も哨戒艦も配置換え

2026年3月、海上自衛隊が姿を変えます。冷戦期から日本の海を守り続けてきた「護衛艦隊」と「掃海隊群」が統合され、新たに「水上艦隊」が誕生。伝統の名称を捨ててまで断行する“戦後最大の組織改編”の狙いを読み解きます。

横須賀、呉、佐世保、舞鶴、それぞれの配置は?

 配置については水上艦隊司令部と、第1水上戦群、哨戒防備群が横須賀基地(神奈川県)に、第2水上戦群が呉基地(広島県)へ、そして第3水上戦群が舞鶴基地(京都府)に、水陸両用戦機雷戦群が佐世保基地(長崎県)にそれぞれ置かれます。

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いずも型護衛艦と虹(画像:海上自衛隊)。

 なお、水上艦隊の新編に伴い、海上訓練指導隊群は「水上訓練指導群」へ名称を変更。水上艦隊直轄部隊では第1海上補給隊が「第1水上補給隊」に、第1海上訓練支援隊が「第1水上訓練支援隊」となります。

 一方でシステム通信隊群や、これまで自衛艦隊の直轄下であった艦隊情報群、海洋業務・対潜支援群、地方隊隷下の警備所は統合され、防衛大臣の直轄部隊として新編される情報作戦集団に一元化される計画です。これを受け、情報作戦集団の下には「作戦情報群」と「サイバー防備群」が置かれ、警備所は作戦情報群の隷下へと変わります。

 すでに横須賀地方隊の第41掃海隊は2024年3月に解隊されており、「えのしま」は函館基地隊の第45掃海隊へ、「ちちじま」は掃海隊群の第1掃海隊に編入されています。

また、大湊地方隊は2025年3月に、横須賀地方隊と統合し北海道所在部隊を除いて大湊地区隊となっています。艦艇に目を向けても2025年11月にはJMU(ジャパンマリンユナイテッド)横浜事業所磯子工場で哨戒艦「さくら」と「たちばな」が、12月には三菱重工業長崎造船所でFFMの12番艦「よしい」がそれぞれ命名・進水しており、新たな体制を象徴する艦艇が着々と整備されつつあると言っても過言ではありません。

 太平洋戦争の終戦から80年、海自創設からも70年以上が経ち、米ソ冷戦という環境下で誕生した護衛隊群や掃海隊群などの名称が今回の大改編で消えます。とはいえ、「水上戦群」と「水陸両用戦機雷戦群」という名称になったのは、日本を取り巻く安全保障環境が悪化しているという危機感の表れであり、長い歴史における一大転換点がやってきたとも言えるでしょう。

【新たな組織図です】「水上戦群」に「哨戒防備群」? 新たな部隊名ズラリの改編イメージ

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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