過去の重大事故から学ぶ新「社員研修センター」使用開始 約700mの実習線も JR北海道
JR北海道が社員研修センターを苗穂から稲穂に移転。さまざまな実習施設のほか、過去の重大事故に関する展示を含めた「安全研修館」を備えています。隣接地には、約700mの実習線を建設中です。
「3つの重大事故」から学ぶ全社員対象の研修も
JR北海道は2017年1月から、札幌市手稲区の稲穂駅近くに新築している「社員研修センター」の一部使用を開始しました。札幌市中央区の苗穂工場内にある旧センターが、建築から約50年を経て老朽化していたことに加え、苗穂駅周辺の地区整備事業において建物の一部が支障することから、新たにセンターを建設して移転したものです。
施設内には、運転シミュレーターを使用する総合訓練室や、駅窓口業務の実習を行う接客訓練室、そのほか技能訓練室、マルス端末室、運転訓練室などが設けられ、従前のセンターから設備の機能強化が図られています。また、約700mの実習線も建設中で、4月の使用開始が予定されています。
実習棟1、2階の一部は、全社員を対象とした安全研修などを行うための「安全研修館」です。2011年5月に特急「スーパーおおぞら」がトンネルを走行しているときに発生した「石勝線列車脱線火災事故」、2013年7月に特急「北斗」走行中にエンジンから出火した「183系特急気動車エンジントラブル」、そして2013年9月の「函館線大沼駅貨物列車脱線事故」に関わる現物などを展示した「3つの重大事故から学ぶ」ゾーンも設置。それぞれの事故や事象に至った背景、教訓、対策について学ぶといいます。
3月からは、上記の3大事故や線路検査データの改竄(かいざん)など一連の事故・事象を振り返り、安全やコンプライアンス意識を高めることを目的とした研修が、全社員を対象に開講される予定です。
なお、敷地面積は1万2193平方メートル、延床面積は1万7734平方メートル、計画事業費は86.7億円です。
【了】
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