BRT化も検討…山口の海沿いを走る「JRローカル線」、実は空も近い? “国鉄屈指”の複雑な成り立ちとは
山口県西部を走る宇部線は、数あるJR(国鉄)線の中でも特に複雑な経緯を持つ路線です。三つの私鉄が一つになり、線路の付け替えも複数区間で行われました。
山陽本線急行が宇部線を経由する案もあった?
列車は28人を乗せて定刻に出発し、田園風景をのんびりと走ります。
各駅での乗降はほとんどなかったため、阿知須での2人乗車や、岐波での4人下車が大きな動きに感じます。築堤の上を進む列車からの見晴らしは良く、さらに進むと田園にソーラーパネルが増えてきます。2両編成ですが、車掌が乗務して巡回していました。
10時54分の床波で1人下車・4人乗車。カーブが増えて、見通しが悪くなります。11時の草江で小学生の集団が18人乗車し、車内がにぎやかに。ちなみにこの駅から山口宇部空港までは徒歩7分の距離ですが、「宇部空港駅」とは名乗りません。
11時6分の東新川で5人乗車、11時8分の琴芝で小学生の集団を含む19人が下車し、11時10分、終点の宇部新川に到着すると24人が下車しました。
宇部新川は宇部市の中心駅です。1943(昭和18)年に宇部鉄道が国有化された際、当駅が「宇部駅」に、山陽本線の宇部駅が「西宇部駅」になりました。
そして1964(昭和39)年、宇部駅が「宇部新川駅」に、西宇部駅が「宇部駅」にそれぞれ戻されています。宇部商工会議所の要請で改称されました。
宇部新川で下車した24人のうち、19人は向かいに停車している宇部行きの普通列車に乗り換えます。この宇部行きも105系2両編成で、22人が乗車しています。
小野田線と分岐する居能で1人下車、岩鼻で1人下車すると、厚東川の大きな鉄橋を渡ります。しばらく走ると複線となり、列車交換が行われます。ほぼ動きがないまま、11時25分宇部に到着。乗客の大半は山陽本線に乗り換えていきました。
全線乗車しましたが、沿線は市街地も多いものの鉄道利用は少なく残念に思います。1970年代には宇部線を高速化して山陽本線の一部の急行を経由させることも検討されたそうですが、それが実現していたら、もう少し利用されていたかもしれません。
また、宇部新川~草江~新山口間で、航空便や新幹線に合わせて快速を運行すると、宇部線の価値を高めることにつながるのではないでしょうか。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





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