BRT化も検討…山口の海沿いを走る「JRローカル線」、実は空も近い? “国鉄屈指”の複雑な成り立ちとは

山口県西部を走る宇部線は、数あるJR(国鉄)線の中でも特に複雑な経緯を持つ路線です。三つの私鉄が一つになり、線路の付け替えも複数区間で行われました。

JRでも例のない複雑な経緯

 1941(昭和16)年、宇部鉄道が宇部電気鉄道を吸収合併し、1943(昭和18)年、宇部鉄道と小野田鉄道が国有化。戦後の1948(昭和23)年にはこれらの路線が現行の「宇部線」と「小野田線」に改称され、さらに国鉄は「宇部、小野田線緊急整備3か年計画」として3区間に短絡線を新設します。

 さらに小野田線の電化や架線昇圧も合わせて進め、ようやく現行のルートができあがりました。ここまで複雑な経緯の路線は、JR(国鉄)線でも、ほとんど例はありません。

 その後、宇部港(旧・沖ノ山旧鉱)駅は1961(昭和36)年に旅客営業が廃止され、貨物専用に。なお国鉄は利便性向上のために、1970年代に地盤改良や複線・高架化などを計画しますが、実現には至りませんでした。

 かつて美祢線の美祢駅に多数向かっていた貨物列車も、宇部興産専用道路の開通で本数を減らし、2009(平成21)年に全廃されます。

 現在、宇部線は快速列車も廃止され、普通列車のみです。全線にわたり国道190号が並行しており、新山口~宇部新川間は特急バスも走っています。所要時間は41分で、宇部線より10~15分程度速いことから、小野田線とともにバス転換(BRT化)を検討されたこともありました。しかし整備費用が153億円もかかり、採算性も厳しいことから断念されています。

 では、実際の利用状況はどうなのでしょうか。

 2025年11月の火曜、新山口10時19分発・宇部新川行きの普通列車に乗りました。発車時刻より30分早くホームに到着したにもかかわらず、105系電車にはすでに乗客が乗っており、発車を待っていました。10時19分の後は12時2分と間が空きますが、のんびりした印象です。

 105系は1981(昭和56)年の登場時から、一貫して宇部線を走っています。体質改善工事は受けていますが、国鉄通勤形の雰囲気を残した車内です。ロングシートの座り心地は良く、その部分も国鉄型の良さを感じます。2004(平成16)年からの改造でトイレが追加されていました。

【過疎路線ではない!】これが複雑な経緯で完成した「宇部線」です(写真)

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 宇部線の沿線には高校の数校の他、宇部高専と山大宇部キャンパスが存在し、工業地帯故に、日中より朝晩の利用率が高い。

    山口県の鉄道路線はこのパターンが多く、宇部に近い存在は周南市でしょうか、徳山高専と周南公立大学、他高校数校あり工場地帯がございますが、山陽本線、岩徳線双方、朝晩はほかの時間帯より多く設定されている。

    昼間の利用率だけで不便や利用率が低いと判断できにくい路線でして、JRもかなり対策をされています。

    昼間をどう対応するか、が課題でしょうか。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス