シンガポール空軍の「パートタイム怪鳥」どう作った? “F-16お手軽魔改造”のウラ側
2026年2月に開催された「シンガポール・エアショー2026」で、シンガポール空軍のF-16戦闘機がスモークを引いて飛行しました。実はこの機体、アクロバット専用機ではなく、あるモノを流用して「即席アクロ機」に改造されたものでした。
燃料タンクを流用した取り外し式スモーク装置
今回のエアショーで飛行したシンガポール空軍のF-16は、機体下部に搭載するドロップタンクを流用した機外式スモーク発生装置を使っていました。これは、本来は追加の燃料を入れるための燃料タンクにスモークオイルを入れ、そこからエンジンノズルまで伸びる配管も機外に剥き出しで取り付けられています。
この外装タンクを流用した装置は、短時間での取り外しが可能であり、普段は任務に使っている戦闘機を、必要な時だけ“即席アクロ”化することができます。
シンガポール空軍では約60機のF-16戦闘機を保有しています。しかし、一部の機体は訓練の為にアメリカ本土の訓練部隊に配備されており、国内にある機体数は限られています。その中から展示飛行だけを行なう機体を確保するのは難しく、それがこのようなパートタイム的に対応できる外部搭載型スモーク発生装置が開発された理由です。
じつはシンガポール空軍では過去には「ブラックナイツ」というアクロバットチームがあり、6機の専用カラーで塗装されたF-16による展示飛行が定期的に行なわれていました。
上記の理由から専用のアクロバットチームを運用する機体と人材の余裕はシンガポール空軍になく、カラーリング以外は通常のF-16戦闘機と同じ装備の機体が使われており、必要であれば直ぐにでも戦闘任務に転用できる体制で運用されていました。パイロットや整備員もレギュラーでチームに所属するのではなく、必要に応じて一般飛行隊から出向する方式がとられていました。
しかし、それでもシンガポール空軍の規模を考えるとアクロバット飛行隊を維持するのは難しく、2015年以降から活動を休止しており、事実上の解散状態となっています。





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