何もかもピンクでした――都市の廃線跡に転生した元「サンダーバード」が徹頭徹尾ブッ飛んでいた件
北陸地方を行き来する特急で活躍していた車両が、かつての面影がないほどド派手なピンク色に塗られていました。なぜこのような姿に生まれ変わったのでしょうか。
会計後に渡された「ナゾのきっぷ」
「未来行き」をうたい、サンダーバードに使われていたことから「フューチャーバード」と名付けられたクロ681-4。そこには「正解のない時代、自分にとっての未来を考えるきっかけにしてほしい」という思いを込めたそうです。
片開き扉を開けて入ると、暗黒の空間が待ち受けていました。といっても「お先真っ暗」という意味ではなく、アニメ『銀河鉄道999』で描かれた機関車内のコンピューター類が並んだ空間のような機械室の雰囲気なのです。現役時代に並んでいた横に2列と1列のリクライニングシートは取り払われ、代わりに壁沿いにベンチシートを配置しています。
壁面のコンピューター類には「IMAGE」「20XX」の表示もあり、来場者に未来の20XX年へ向かうタイムマシンに乗ったように将来の世界を想像してもらおうとしていました。
会計を済ませると、店員が「フリー乗車券」と書かれた券をくれました。訪れた日から1年間有効と記載されており、「この券を持ってきていただくと、有効期間内は無料で入場できます」と教えてくれました。
券面には使用可能なのが「梅小路短絡線全線」と記しつつ、そこに描かれた路線図はまるでJR西日本の近畿エリア路線図のように広大です。
「全長約90mだけのエリアなのに」と一瞬思いましたが、レストランのコンセプトを思い出して考え直しました。このフリー乗車券は、「未来行き」という無限大に広がる可能性に門戸を開いてくれるきっぷなのです。きっと、描かれた路線図のように幅広い行き先が待ち受けていることでしょう。
Writer: 大塚圭一郎(共同通信社経済部次長・鉄旅オブザイヤー審査員)
1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。





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