「SPORZA」に息づくデ・トマソのDNA ダイハツとスポーツカーの雄、その深い縁とは?

もはやイタリア車? デ・トマソ自ら磨き上げた「シャレード」

 意外かもしれませんが、ダイハツとデ・トマソには深い縁があります。

 当時、デ・トマソは、自動車メーカーとして拡大路線にあり、マセラティやイノチェンティというイタリア自動車メーカーを買収。しかし、BLMC(ブリティッシュ・レイランド・モーター・コーポレーション、イギリス)の子会社だったイノチェンティは、BLMC製のエンジンを搭載しており、自社製エンジンを持っていませんでした。デ・トマソ自体も、エンジンはフォードより供給を受けていたこともあり、適当な小型車エンジンを探し求めていました。

 そこで白羽の矢がたったのが、海外に輸出も行っていた「シャレード」のダイハツ製1.0L 直列3気筒エンジンでした。デ・トマソはダイハツと、イノチェンティ向けに小型エンジンの供給契約を締結。つまり、ダイハツにとってデ・トマソは、お得意さんだったのです。

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「シャレード デ・トマソ ターボ」のパンフレット。ベースは2代目「シャレード ターボ」(写真出典:ダイハツ)。

 その良好な関係が生み出したのが、「シャレード」にスポーツモデルとして追加された「シャレード・デ・トマソ」です。初代「シャレード」でもコンセプトカーが作られましたが、市販モデルとなったのは、2代目「シャレード」から。スポーティな「シャレード ターボ」をベースとし、アレハンドロ・デ・トマソ御大自らが参加して共同開発されたといいます。

 スペックはターボと同等ですが、専用エアロを備えたエクステリアに加え、デ・トマソ自身が厳選したイタリア製パーツを採用。その中身は、カンパニョーロ製マグネシウム合金ホイール、ピレリ製P8タイヤ、MOMO社製スポーツステアリングなど、当時のカーマニアを唸らせる逸品ばかり。スーパーカーブーム以降、欧州車の人気が高まりつつあった日本では、まさに最も身近なイタリアンスポーツといえるものでした。

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