ナゾ深き「元祖中国製ジェット旅客機」実際どう? 現役機長の “想定外な評価”とは 日本飛来ナシ、ほぼ“中国国内のみ”で使用
中国初の実用ジェット旅客機「C909」は、日本人にとってナゾの多きモデルです。実際の現場の評価はどうなのでしょうか。この機を運航する機長に直接話を聞いたところ、意外な回答が得られました。
コックピットは現代機基準の装備
C909は操縦装置が電気信号と油圧アクチュエーターで動作する「フライ・バイ・ワイヤ(FBW)」が採用されており、操縦桿の操作感覚は「FBWのおかげで、操縦桿の動作は軽くてソフトで操縦しやすい」(トランスヌサ航空機長)とのこと。また、コックピットも大型モニター中心のグラスコックピット化されており、パイロットの運行上の負担もずっと少ないそうです。
FBWやグラスコックピットは最近の旅客機では珍しいものではありませんが、737-500のような古い機体を運行していたパイロットにとっては操縦のし易さが改善し、運航全体での大きな負担軽減だといえます。
また、比較対象の機体が古すぎるようにも思えますが、トランスヌサ航空のような海外の小規模な航空会社では、機齢も高いクラシック機を主力機とすることは決して珍しいケースではありません。そうした航空会社のパイロットにとっては、C909が先進的な機体であるという評価は妥当といえるでしょう。
さて、中国製品のイメージとして真っ先に思いつくのは「安さ」です。しかし、C909のコストについて機長に聞くと、その答えは単純に安いというシンプルなものではないようです。
「コストを737と比較した場合、機体自体は安いでしょうが、運用コストについては同じくらいだと思います。燃料消費量は1時間あたりで1800~2000kgで航続距離はC909の方が上ですが、客室の座席数は89席で、これは737-500よりも少ないです。その結果1人あたりの運賃は高くなります」(トランスヌサ航空機長)。
また、C909は新造機ゆえに機械的なトラブルも少なく、その点も運航上の大きな利点になっているそうです。「私がかつて操縦していた737は第2世代のクラシック・ジェットであり、その古さのために整備上の問題が多かったです。それと比べればC909はトラブルが少なく、信頼性も高い機体だといえます」(トランスヌサ航空機長)。
比較対象が737-500ということも除いても、機長のC909に対する評価は、リージョナルジェット機としては一定の水準にあることは間違いないといえるでしょう。
特に座席数の少なさによる運賃の上昇は認めつつも、導入コストの安さと新造機としてのトラブルの少なさは、航空会社の運用機としては評価されているといえます。





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