ナゾ深き「元祖中国製ジェット旅客機」実際どう? 現役機長の “想定外な評価”とは 日本飛来ナシ、ほぼ“中国国内のみ”で使用
中国初の実用ジェット旅客機「C909」は、日本人にとってナゾの多きモデルです。実際の現場の評価はどうなのでしょうか。この機を運航する機長に直接話を聞いたところ、意外な回答が得られました。
中国が国際的航空機メーカーになるための最初の一歩?
トランスヌサ航空の機長は高い評価をしているC909ですが、現実問題として同社のように海外の航空会社がこの機体で商業運航するのは簡単なことではありません。
そもそも、トランスヌサ航空の導入自体が、中国政府の支援やCOMACとして最初の海外カスタマーの実績造りとして、特例的に行なわれた部分もあります。
また、トランスヌサ航空はCOVID-19パンデミックの影響による業績不振から、2020年に一度運航を停止しましたが、その後は中国資本の投資会社から支援を受けて事業を再開。形式証明(TC)についても、中国のCAAC(中国民航局)の型式証明を元にインドネシア運輸省(DGCA)が自国審査を行なう形式で行なわれていますが、これは両国間の経済協力の深まりが影響したと考えられます。
C909の導入は、純粋に同機の性能だけで決められたものではなく、こうした会社や政治的な背景も後押ししたといえるでしょう。
COMACは現在、リージョナルジェット機のC909と、中型旅客機のC919を生産しており、さらに大型の300席クラスのC929の開発も進めています。ただ、ボーイングやエアバスのような大手航空機メーカーと比較すると、国際的な商業運航は形式証明(TC)の問題から不可能であり、機体構成部品の多くを海外企業に依存するサプライチェーンの問題も指摘されています。
しかし、それら問題点を理由に停滞することなく、中国の国内航空会社への販売で製造ラインを回し、政治や経済的なコネクションを活用して海外カスタマーを増やす姿勢は、中国企業らしい攻める姿勢であり、その積み重ねがCOMACの今後の成長に繋がっていくといえます。仮に今後10年、20年でCOMACが世界的な企業に成長した場合、トランスヌサ航空のC909の導入は「最初の一歩」として大きく評価されるかもしれません。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





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