「衛星やドローンで代替」は当面無理! 次世代の“空飛ぶレーダー”米空軍が導入へ一度は中止も“現場の強い反発”

アメリカ国防総省は2026年3月13日、E-7A「ウェッジテイル」空中早期警戒管制機(AEW&C)の生産および開発を継続するため、ボーイングと追加契約を締結したと発表しました。

賛否両論あるもひとまずは2機試作型を納入

 アメリカ国防総省は2026年3月13日、E-7A「ウェッジテイル」空中早期警戒管制機(AEW&C)の生産および開発を継続するため、ボーイングと追加契約を締結したと発表しました。

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納入されたばかりのイギリス空軍のE-7(画像:イギリス国防省)

 追加契約の総額は約24億ドル(約3800億円)となる予定で、これにより同プログラム全体の費用は約50億ドル(約8000億円)に増加します。この契約に基づき、E-7A試作機2機の開発作業を継続するとともに、本機の量産準備を開始します。

 E-7は民間機のボーイング737-700をベースとした機体で、地上配備型レーダーや艦載レーダーでは探知できない、水平線の向こう側を飛行する敵機などを含むあらゆる飛行目標を早期に探知するために運用される航空機になります。その性能から空中早期警戒管制機は空飛ぶレーダー基地とも呼ばれます。

 新たな契約で対象となる作業は2032年8月まで続く予定です。この計画は、現在運用されている老朽化したボーイング製のE-3「セントリー」空中早期警戒機を更新するための、アメリカ空軍の取り組みの一環です。

 なお、同機の導入を巡っては、これまで何度か異論が投げかけられており、第二次トランプ政権発足後の2025年6月には、26機の調達を中止するとする発表が一度出されています。

 E-7の代替案として、トランプ政権は単一の大型空中管制機に依存しない防空・監視ネットワークの構築を構想し、低軌道衛星(LEO)による広域監視網や、高高度・長時間滞空型無人機、さらには分散配置されたセンサー搭載ドローンの配備を進める方針を示していました。その背景には、対空ミサイルの性能向上があります。これまで安全圏で運用できた空中早期警戒管制機にも被害が及ぶ可能性が出てきたため、不要論が浮上したとされています。

 しかし、これらのシステムが依然として未成熟であることに加え、E-7が置き換える予定だったE-3が深刻な老朽化状態にあり、早急な後継機の確保が必要であることなど、複数の課題が考慮されました。さらに元空軍指導者や米空軍・宇宙軍協会からの強い反発が議員に影響を与えた結果、一度は調達中止となった案が復活した形となりました。

 ただし、計画は「最大26機」とされており、最終的な調達数が減る可能性は十分にあります。

 一方、欧州では2025年6月に発表されたアメリカの調達中止を受け、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が共同運用しているE-3をE-7へ更新する計画も一旦白紙となっています。

 そのためフランスは、E-3の後継としてE-7ではなく、サーブ製の空中警戒管制機「グローバルアイ」を2機購入する方針を示しています。さらに、NATOの計画白紙化を受け、ドイツも史上初めて単独運用の空中管制機として「グローバルアイ」を導入する計画を立てており、アメリカの調達再開を受けて今後の動向が注目されています。

【画像】これが機体に板を乗せたE-7です

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