「ボルト1本落としてはならない」緊迫の工事 10の線路をまたぐ首都高横浜北線の高架橋

2017年3月18日に開通する首都高K7「横浜北線」は、10本もの線路を一気にまたぐ箇所があります。線路上で分岐・合流する複雑な構造の高架橋は、いかにして誕生したのでしょうか。

鉄道の上に「鉄道」? 最大2000tの橋桁をどう架けた?

 横浜北線は、生麦JCTから「鉄道交差部」を越えると、すぐトンネルに入ります。「鉄道交差部」における橋桁の架設は、このトンネル坑口付近に、作業台を設けることから始まりました。

 作業台に敷いたレールに台車を設置し、その上に橋桁の一部を載せて、線路を越えた先の橋脚まで橋桁を少しずつ送り出していったのだそうです。架設が済んだ橋桁にさらにレールを敷き、次の橋桁を同じ要領で順次送り出していったほか、一部は既設の橋桁上から横にスライドさせて橋脚間に架設することも行われています。

Large 20170216 01
「鉄道交差部」における橋桁架設の推移。架けた橋桁の上から次の橋桁を送り出すなどしていった(写真出典:首都高速道路)。

 ひとつの橋桁の重量は、最大で約2000tにもなるといいます。これら架設工事はすべて、終電後の午前1時前後から4時ごろまでの約3時間に行われ、4年半ほどを要したそうです。そのあいだ、国道は要所で夜間通行止めが実施されましたが、鉄道は運休されることなく、無事故・無災害も達成されています。

 架設後は、橋桁どうしを接合したり、遮音壁を設置したりする工事が行われました。橋桁の架設はもちろん、そのほかの工事も、「直下の線路にボルト1本でも落としたら大変な影響を及ぼす」(首都高速道路 寺山局長)ため、こうした営業線路上空での工事は非常に気をつかったといいます。

 ちなみに、既設の鉄道や道路との交差部は、その上空だけではなく、地下でも同様に、管理者との綿密な調整が求められるといいます。横浜北線の横浜トンネルは、東急東横線や東海道新幹線、横浜市営地下鉄ブルーラインなどの下を通っていますが、トンネルの掘削による地面や地層の変動が大きければ、施工を停止することもあるため、状況をつぶさに事業者と確認しながら工事を進めたそうです。

 横浜北線のように、今後も都市部においては、既設の路線や高架橋のさらに上、トンネルや地下構造物のさらに下に新線が建設されることが考えられます。そのたびに工事の技術も進歩していくのでしょう。

【了】

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 因みに文久2年、生麦事件のあった場所でもある。

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. ロシア海軍の潜水艦に「異変」! 衛星画像の分析で明らかに 船体に“巨大な傘”を設置か イギリス国防省が指摘
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号