冬タイヤでも立ち往生? 変わる気候と雪道、対策不備車にはペナルティーも検討

冬タイヤを装着していても立ち往生

 国土交通省によると、近年の気候変動を背景に、降雪量が全国的に増加しているそうです。この6年で積雪が観測史上最高を更新した地点は3割に達し、「ゲリラ豪雪が局所的に発生している」といいます。

 同省が管理する「直轄国道」と呼ばれる区間では、比較的雪が少なかった2015年度にも全国で547台の立ち往生が発生し、そのうち災害対策基本法に基づき91台を移動したといいます。この冬は2017年2月15日(水)時点で、高速道路や補助国道を含めて12区間において区間指定がなされています。

 それらはおもに、山間部などのいわゆる「峠越え」区間だといいます。また、「直轄国道」において立ち往生した車両の61%は大型車であり、勾配がきつくなる「峠越え」区間では、大型車は冬タイヤを装着していても立ち往生が多く発生しているそうです。

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2015年2月5日、大分県において、九州では初となる改正災害対策基本法に基づく区間指定がなされた(画像出典:国土交通省九州地方整備局)。

「冬タイヤを装着していてもチェーンを携行し、立ち往生の不安がある区間では装着するよう全国のトラック協会などに指導しています」(国土交通省)

 さらに国土交通省では、立ち往生の原因をつくった車両に何らかのペナルティーを課すことも検討しているそうです。「雪道をチェーン非装着やノーマルタイヤで走ることに罰金を設定している地域もあるので、そこにさらに罰金を課すことは難しいとは思います。しかし有識者も、立ち往生する危険性に対してドライバーの意識を高めることが必要であるという見解を示しており、その具体的施策のひとつとして、何らかのペナルティーを課すという案があります」と話します。

 同省では大雪に際して、不要不急の外出を控えることを呼び掛けています。やむを得ず通行しなければいけない場合には、これまで以上に雪への対策を強化する必要があるといえそうです。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. 強制移動の前に雪が降り出した時点でエンカリを撒いておくか積もった時点で除雪をする方が先だと思います。5年前の教訓が生かされてないと思います。エンカリを撒くだけでも違うと思うのですが。

  2. テレビニュースで「チェーンを巻いた中型トラックが車輪から回りして動けない映像」を見ました。
    ノーマルタイヤにチェーンだったのかも知れませんが、あの状況ではスタッドレスにチェーンでも大差なかったように感じます。一方だけの規制強化では効果が薄すぎであり、やはり車両側は「冬タイヤにタイヤチェーンを強制化」で、道路管理者側も「早めの凍結防止剤活用と早めの除雪対応」の双方が働いて初めて効果的ではないの? 都市部でも確かにノーマルタイヤのままにチェーンも非搭載で立ち往生も相当多いのが迷惑甚だしい!

  3. 日本は立ち往生車や事故車に優しすぎ。
    走れなくなった車はゴミなので、海外の様に瞬間的最速で重機で撤去すべき。