戦闘機めぐる台湾の本音は? 次世代型ステルス機開発表明、その裏側

戦闘機の独自開発は経験済みだが…

 台湾にとってアメリカが新鋭戦闘機を売ってくれないという事例は、実はこれが初めてではありません。1980年代にF-16の導入を希望した際もアメリカが中国を刺激することを恐れ、売ってくれないという問題に直面していました。

 そのため台湾は90年代に入ってから仕方なく独自にIDF「経国」を開発、実用化し、130機を生産しました。その後ようやくF-16が手に入ることになりましたが、アメリカは当時最新鋭の「F-16C ブロック30/32」ではなく、性能に劣る現在の「F-16A ブロック20」しか許可しなかったので、フランスから高性能なダッソー社製「幻象2000-5(ミラージュ2000-5)」を60機購入しなければなりませんでした。

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アメリカがF-16Cを売ってくれなかったため、台湾空軍は仕方なく「幻象2000-5」を導入したが、慣れないフランス製で整備コストが高く稼働率も低いことが問題に(関 賢太郎撮影)。

 台湾による次世代戦闘機開発は、「経国」や「幻象2000-5」を導入せざるを得なかった20年から30年前の経緯を彷彿とさせます。とはいえ次世代戦闘機の開発難易度は「経国」のころに比べて格段に高くなっており、特に開発費として数兆円を要することなどから、一国での単独開発は極めて困難になっています。仮に本気で台湾が次世代戦闘機開発を目指すならば、ある程度の性能で妥協したとしても、それは果てしなく厳しい道のりとなるでしょう。

 当面のあいだは既存のF-16AをF-16V仕様へ改修することによって、中国側に対抗可能な性能を得ることができますが、やはり圧倒的に強く今後20年から30年は「生き残る」ことを保証できるF-35がほしくて仕方がないというのが、台湾国防部の本心なのではないでしょうか。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 多分実際にはイスラエルあたりの手を借りるんだろうな。まあ中国製よりは期待度は高いような気がするが。