パイロット操作一切なし! 米軍の大型輸送ヘリが「完全自動着陸」に成功 ボーイングの新技術の凄みとは

アメリカのボーイング社が、米陸軍のCH-47F「チヌーク」輸送ヘリコプターで、完全自動化された着陸に成功しました。パイロットの操作を一切介さないこの新技術は、今後のヘリコプター運用を大きく変えるかもしれません。

現場の“直感”をシステムに反映

 アメリカの大手防衛関連企業であるボーイング社は2026年4月16日、同社が開発した「Approach-to-X(A2X)」技術の飛行試験において、アメリカ陸軍のCH-47F「チヌーク」輸送ヘリコプターが初めて完全自動化された進入および着陸に成功したと発表しました。

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アメリカ陸軍のCH-47F、試験に使用された機体の同型機(画像:アメリカ陸軍)。

 この試験では、ボーイングが開発した改良型のデジタル自動飛行制御システム(DAFCS)用ソフトウェアを搭載した機体を使用。パイロットの操作を一切介することなく、滑走路への着陸を実現しました。

 A2X技術は、2026年1月に米陸軍のCH-47Fで初飛行を実施して以来、最終高度が約30mのホバリングを含め、様々な条件下で150回以上の進入を完了しています。その精度は非常に高く、ボーイングによれば最終的な位置の誤差は平均で約1.5m未満に抑えられているといいます。

 この技術の目的は、パイロットの負担を軽減するとともに、運用の柔軟性および作戦遂行能力の向上にあります。操縦者が通常行う飛行方法に適合した、自動化された戦術への進入を可能にします。

 システムの操作は、まずパイロットが着陸地点および最終高度(空中または地上)を選択し、進入角と初速を設定します。その後、ソフトウェアが目標地点まで機体を誘導し、到達に必要な操縦を自動的に行います。また、戦術状況が変化した場合には、パイロットが機体の最終進入経路や降下経路を手動で修正することも可能です。

 A2Xの設計には、パイロットおよびエンジニア双方の知見が生かされています。ワーキンググループでの検討を経て、インターフェース、制御則、安全確認手順などが、パイロットの直感や期待に適合するように作り上げられたといいます。

 今後は、さらなる飛行試験を通じてソフトウェアの改良および微調整が行われます。最終版が完成したのち、アメリカ陸軍による実運用部隊への統合が開始される予定です。

【画像】試験にも使われた米陸軍の「最新鋭チヌーク」を写真で見る

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