日本一「ゴチャゴチャした航路」が誕生!? 橋脚だらけ船だらけを進む“フル電動船”がスゴすぎた!「高い操船技術ないと無理」ちなみに“国内初”
民間では国内初となるフル電動の旅客船「Nihonbashi e-LINER」が東京の日本橋―豊洲航路に就航。未来感ある船もさることながら、各種の工事が同時並行で進む日本橋周辺を縫うように進む操船技術にも舌を巻きます。
こんなゴチャゴチャした航路ほかにあるか!? 「コンテンツになる」操船技術
「Nihonbashi e-LINER」が就航している日本橋―豊洲航路のポイントは、フル電動船というだけではありません。多くの橋が架けられ、観光船も行き交う日本橋川を、首都高の橋脚の間を縫いながら、全長17mの船が進んでいくダイナミックさです。
豊洲から乗船すると、船はすぐ右に向きを変え、旧晴海鉄道橋、春海橋、相生橋をくぐりつつ晴海運河を北上します。橋の高さ制限をクリアする必要があることから、「Nihonbashi e-LINER」は全体的にフラットな印象を受けるデザインとなっており、客室の窓が海面に近いため、船の速度や波を間近で感じることができます。
永代橋付近まで来ると、ちょうど隅田川を下ってきた屋形船とすれ違いました。この隅田川との合流点は船の往来が多く、東京が水の都の側面を持つことを感じさせる反面、「Nihonbashi e-LINER」が安全運航に気を使う非常に混雑した水域を走る定期航路ということがわかります。
船は針路を左に変え、日本橋川の入り口である豊海橋をくぐります。船体に対して川幅が狭く感じる日本橋川を航行していると、目の前には千石船のレリーフが埋め込まれた湊橋のアーチや首都高6号向島線とその橋脚が次々と迫ってきます。
東京証券取引所などがある兜町を横目に、圧巻の江戸橋JCT、そして「東京ミッドタウン日本橋」の工事現場を通り過ぎると日本橋に到着。片道約25分の船旅でした。
「日本橋は今、首都高地下化で台船がところどころにある。それらを縫って船着場に着くのは操船の技術力が無いと無理。これが一つのコンテンツになると思っている」(市ノ澤氏)
今後、日本橋の船着場は、首都高の地下化工事の進展に伴って「東京ミッドタウン日本橋」に近い、江戸橋寄りの位置へと移される予定です。変化の激しい東京・日本橋の現在を、間近で見られる「Nihonbashi e-LINER」でした。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。




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