なぜ高速SAの駐車場は「斜め」ばかり? 停めやすいだけじゃない 命を守る「超合理的」な理由もあった!
高速道路のサービスエリアで駐車すると目にする、駐車場の枠が斜めに引かれているその秘密を探ってみます。
車の向きを“ぴったりそろえる”効果も 安全と利便性の両立
進行方向から斜めに車体を傾けて駐車すると、車の前方は必然的に出口の方向を向きます。これがもうひとつの狙い、「逆走の防止」につながっています。
NEXCO各社によると、高速道路では全国で概ね2日に1回の頻度で逆走が発生しており、IC(インターチェンジ)や料金所、分岐・合流部に加えて、SA・PAの出入口付近も逆走の発生場所として挙げられています。
もし駐車枠が真っ直ぐに引かれていて、車の頭がどちらを向いてもよい構造だと、出発するときに誤って進入口の方向に向かってしまう可能性が考えられます。一方、斜め駐車は車の発進方向が一定方向に向きやすくなるため、本線の合流方向へ自然に誘導できる効果が期待できるのです。
さらに近年、NEXCO各社は斜め駐車の強みを活かして、駐車マスのレイアウト変更も進めています。NEXCO東日本・中日本・西日本の公表資料によると、大型車の駐車マスの不足に対応するため、従来の長方形の枠を斜めに引き直したり、小型車マスを大型車マスに描き換えたりする取り組みを行っています。
2023年度には全国49か所のSA・PAで大型車マスが約630台拡充され、2024年度も約560台の拡充が予定されているなど、斜めの駐車レイアウトは“今も進化している”最中なのです。
なかでもユニークなのが、山陽自動車道の佐波川SAなどで導入された「V字駐車レイアウト」。車の頭を斜めに向かい合わせて「Vの字」を描くように配置する方式です。NEXCO西日本によると、この工夫で大型車の駐車マスを約1.4倍に増やせたうえ、前進発車できることから接触事故も低減できるとしています。
ただ、メリットしかないように思える斜め駐車にも、実はデメリットがあります。駐車枠同士の間隔が密になるため、乗り降りのときは隣の車にドアをぶつけないよう少し慎重にならないといけません。風の強い日はドアが勢いよく開かないよう、乗り降りの際はご注意ください。
なんとなく停めている斜めの駐車枠。そこにはスムーズな駐車、逆走防止、そして混雑対策というSA・PAならではの事情が詰まっています。次にサービスエリアに立ち寄ったとき、ちょっと足元を見てみると、大きな工夫の跡が見えるかもしれません。





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