JRが全面監修 徒歩でも勝てる「最遅の新幹線」が誕生! でもしっかり76.3kmを旅できるのがスゴい!?
四国で走る「なんちゃって新幹線」をさらに模したバッテリーカー完成。手掛けたのは沿線の利用促進対策協議会。ただの“新幹線風遊具”では決してないようです。
バッテリーカーでもしっかり「予土線の旅」ができる!? もう一つの“大作”とは
なんちゃって新幹線の「鉄道ホビートレイン」のなんちゃって新幹線バッテリーカーと、もう一つ、協議会が製作したのが「予土線駅名フェンス」です。
これは、バッテリーカー運用時のバリケードとして使うものですが、何の変哲のないフェンスでは、しまんトロッコやホビートレインシリーズなど普通列車がほとんど観光車両となっている楽しい予土線らしくない!――そこで協議会が依頼したのが、高知県高知市にある福祉施設で障害のある方々がアーティストとして活動しているアートセンター画楽さんです。
76.3kmに22ある予土線の駅それぞれの名物・名所をモチーフに各駅1枚ずつのデザインを依頼したそうです。アートセンター画楽の代表で自身も現代アート作家でもある上田祐嗣さんは、製作にあたり苦労も多かったと語ります。
「協議会の方からモチーフの提示があった駅もありますし、なかった駅はこちらで探して、こんなのはどうでしょうという形で進めました。それぞれ一人一人で完結するというのはやっぱり難しいところがあったりはするんですけど、それを組み合すことによって、協議会が求めていたポップで明るい感じとか、行ってみたくなるような感じというのを作り出せたんじゃないかな」
実際には2025年暮れから描き始め、締め切りぎりぎりまで気が抜けなかったと頭を押さえます。また、今回の依頼に応えた理由として、公共交通の重要性を感じていたといいます。
「実はアートセンターにJRやとさでんの路面電車を使って通ってくる子もいるんです。これまで親御さんの送迎がないとこれなかった子が、公共交通を使って家からここまで1人で来れるようになったり、またデスカ「ですか」(高知県のICカード)を使うことでそれが可能になったりした子もいます。やっぱり障害のある人たちにとって、公共交通はとても大事な生活の豊かさを保証するツールなんじゃないかなと感じています」(上田さん)
そうして完成したフェンスは総勢13人のアーティストに見送られながら予土線利用促進対策協議会へ納品されました。今後は予土線沿線をはじめ四国内での交通イベントに貸し出し、予土線への関心を高め鉄道の利用を促進するといいます。また、直近では5月下旬に予土線の近永駅(愛媛県鬼北町)前で開催される近永駅前マルシェでも設置される予定です。
Writer: 坪内政美(スーツの鉄道カメラマン)
1974年生まれ、香川県在住。いつでもどこでもスーツで撮影に挑む異色の鉄道カメラマン・ロケコーディーネーター。各種鉄道雑誌などで執筆活動をする傍ら、予土線利用促進対策協議会のアドバイザーやテレビ・ラジオにも多数出演するなど、鉄道をワイフワークに活動している。著書に「鉄道珍百景」「もっと鉄道珍百景」「駅スタンプの世界」「100万キロを走ったセドリック」(いずれも天夢人刊)がある。





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