「定員1人のバスならOK」 最初は門前払いだった「完全フルフラットバス」どう実現? 「座席幅5cm」に泣いた過去
東京~高知間を運行する夜行高速バス「フラットン」。国内で唯一「フルフラットシート」を備えた、実質「寝台バス」ですが、その実現には高いハードルがありました。実現と今後の展望について、高知駅前観光の梅原國利会長に話を聞きました。
なかなか認可が下りない国交省の壁
──模型も作られたとか。
はい。地元高知のサーマル工房さんと3年かけて作りました。特許も取っています。それで座席メーカーに行ったのですが、断られてしまいました。
2018(平成30)年、国土交通省に相談したら「模型では判断できません。現物が必要です」と言われました。なお「寝台」は許可されないので、「座席をフルフラットにする」という形を取りました。リクライニング角度を180度にしてはならないという法令はないからです。
ただ、専門の座席メーカーに打診したところ、断られたのでサーマル工房さんと組んで、試作品を自分たちで作ることにしました。
──順調に進んだのですか?
いいえ。ユニット全体に歪みが生じるなど、設計変更が必要な部分もありました。
コロナ禍による業績悪化や自粛ムードも逆風でしたが、梅原章利社長が「事業再構築補助金」を申請して、国や県からの補助金が得られ、銀行も開発資金を貸してくれるようになりました。それで社内の雰囲気も「会長の道楽」から、「何が何でも完成させる」に変わったのです。
神奈川県の第一工業さんが協力してくれ、私の構想で課題となっていた座席のねじれと、前後寝台の位置がずれるという問題は解消しました。
2023年に車検が通ったので「バステクin首都圏」で現物を披露すると大きな反応がありました。ただ、国土交通省から「高速バスのフルフラット車両に対するガイドラインを作るので、営業運行は待ってほしい」と言われたのです。





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