朝の「グォーーーン!!」が無くなる? 電動ごみ収集車を東京都内で使ってみて分かったエコ以外の利点とは!?
2026年5月に東京ビッグサイトで開催された「NEW環境展2026」では、いすゞ自動車が「エルフEV」をベースにした電動ごみ収集車のトライアル結果を発表していました。その進化とは。
“グォーーーン”が消えた? EV化で変わる収集現場
試験運用の評価は、概ね好評だったと担当者は明かします。
トライアル前に一番懸念されていたのは電欠(バッテリー切れ)の問題でした。トライアルに使われたエルフEVは3つのバッテリーを搭載し、その容量は66kWhとなっています。
しかし、電動ごみ収集車の場合は、バッテリーは荷台部分のごみ収集用の架装を動かすPTO(パワーテイクオフ:動力取り出し装置)にも電力が使われています。また、ごみ収集では停止と発進を繰り返すため、この点でも通常のEVトラックよりも電気消費量は多くなります。しかし、トライアルでは現行のディーゼルエンジンの車両と同じルートで電動ごみ収集車を投入したそうですが、いずれも電欠を起こすことなく運行を完了できたそうです。
走行距離は地域によって異なりますが最大で約80kmの距離を走り、この間にごみ収集と処理工場の往復を3~5往復したそうです。
そして、EVパッカー車の大きなメリットとして挙げられていたのが“静かさ”でした。従来のごみ収集車は、架装品を動かすためにエンジン回転を上げ続ける必要があり、住宅街では「グォーーーン」という独特の作動音が響きます。
しかしEV車では、バッテリー電力で専用PTOを駆動させるため、エンジンを吹かす必要がありません。その結果、作業音は大幅に低減。特に早朝収集では「住宅街への配慮につながる」という評価が出ていました。特に、高層の住宅が増えた昨今は、建物で反響して、下の階以上に上の階でよく音が響いてしまうというケースもあります。現代人は音に敏感になったという話もあり、都会では特に清音性が求められる傾向にあります。
ただ、EVトラックは、車両価格の高さや充電時間といった課題も抱えています。しかし今回の運行トライアルでは、実際の収集業務でも十分に実用化できる性能を示しただけでなく、静音化というEVならではの利点も確認されました。こうした要素は売り込むみを行う際のエンジン車にはない大きな強みとなります。
特に、決まったルートを毎日走行し、帰庫時間も一定なごみ収集車は、EVとの相性が非常に良い車種といえそうです。早朝や夜間の住宅地を走る“街のインフラ車両”だからこそ、静かなEV化の恩恵は大きいのかもしれません。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info





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