「ホームドア、なぜ一気に設置しない!?」安全性の前に立ちはだかるハードル、打ち破るための“最新技術”とは
駅で見かける機会が増えた「ホームドア」ですが、まだ未設置の駅も少なくありません。なぜ、一気に整備を進めることができないのでしょうか。
1基つけるのに数億円!?立ちはだかるお金の壁
鉄道駅で設置が進んでいる設備のひとつに、開閉機能を持った「ホームドア」があります。実はこのホームドア、駅にひとつ設置するだけで“数億円”という費用が発生します。条件によってはさらに金額が上がり、10億円を超えることもあるようです。
ゆえに、整備は着実に進んでいるものの、一息に設置するにはかなりの出費となります。とはいえ設置そのものは進んでいて、2025年に入ってからも、都市圏の駅で新規の設置が続いています。
国土交通省の発表によれば、ホームドアが設置されている駅は2024年度末時点で全国1190駅・2830番線になります。一見すると設置駅の数は多く感じますが、実はそこまで数が揃ってはいません。国土交通省の統計でみると、全国の鉄道駅は約9000駅。現状では、ホームドアの設置率はまだ1割強にとどまっているのです。
国はこれまで2025年度末までに全国3000番線への設置を目標としてきました。さらに、2026年度以降の次期整備目標案として、2030年度末までに全国4000番線への設置を掲げており、ホームドア整備は今後も加速する見込みです。とはいえ、現在のペースでは達成するのは難しいでしょう。なぜ、安全のためのホームドアは「一気に」設置できないのでしょうか。
その最大の理由は、シンプルに「お金がかかる」ことです。
日本民営鉄道協会によると、設置費用は私鉄であれば1駅あたり4〜5億円程度の金額となります。JR東日本では、盛り土の上にホームがある京浜東北線の駅で、1駅あたり約13億円かかった事例が報じられています。ホームドア1セット(1開口)あたりの費用は200万〜600万円と見込まれています。車両や編成にもよりますが、長い列車では1ホームに30〜40か所ほど設備が並ぶこともあります。数の多さから、総費用は数千万円から2億円以上になるケースもあるのです。
またホームドア本体の重量も、ネックになっています。ホームドアは1開口あたり数百kg規模の重量となっています。耐荷重が心配される古いホームでは、ホームドア設置の前にホーム自体の補強や基礎の打ち直しが必要になります。とくに地上駅によっては、ホーム構造や建設年代によっては基礎補強が必要になる場合があります。
ホームドアの設置にも費用がかかりますが、その前提となる補強工事だけで、数億円が積み増しされるケースも出てきます。しかも、これだけ費用を払って設置できるのは、たった1駅ぶんでしかありません。
ですが、ホームドア設置が進まない事情は、金額面の問題だけではないのです。





コメント