トラック世界大手が「軍需企業化」を加速? ダイムラーが新ブランド発表 背景にウクライナ戦争 ベンツがガチガチの軍用車に?
なんと名門トラックメーカーが防衛部門を新設! フランス・パリ近郊で、6月15日から19日まで開催された防衛展示会「ユーロサトリ2026」で、ダイムラー・トラックが、防衛事業を世界規模で再編・強化する方針を発表しました。 […]
なんと名門トラックメーカーが防衛部門を新設!
フランス・パリ近郊で、6月15日から19日まで開催された防衛展示会「ユーロサトリ2026」で、ダイムラー・トラックが、防衛事業を世界規模で再編・強化する方針を発表しました。
ダイムラーは世界有数の商用車メーカーですが、新たな統合ブランドとして「Daimler Truck Defense(ダイムラー・トラック・ディフェンス)」を立ち上げ、2028年までに防衛事業売上高を10億ユーロ規模へ拡大する目標を掲げています。
同社は会見で、軍用車両を単なる「トラック」としてではなく、任務遂行能力を備えた統合システムとして提供していく考えを強調しました。背景にあるのが、ロシアによるウクライナ侵攻で浮き彫りになった兵站(ロジスティクス)能力の重要性です。
会見では第二次世界大戦を戦ったアメリカのジョージ・パットン将軍の言葉として「歩兵が戦闘に勝つが、兵站が戦争を勝利へ導く」が引用され、軍の継戦能力を支える輸送インフラや整備体制への投資が重要になるだろうと説明しました。
新ブランドでは、従来のメルセデス・ベンツ系軍用車だけでなく、ダイムラー・トラック全体の製品群や生産ネットワークを活用。顧客要求に応じた現地生産や能力拡張も進めるとしています。あわせて今後数年間で数億ユーロ規模の追加投資を行い、生産能力や車両性能を強化すると明らかにしました。
また、防衛分野では単独開発ではなく協業を重視する姿勢も打ち出しました。会場では無人機、AI、自律走行、兵装統合などを手掛ける複数企業との連携事例を紹介し、「車両単体ではなく能力(Capability)を提供する時代」と説明しています。
展示ブースでは、ウニモグやゼトロス、アロクスをベースとした軍用車両のほか、防空、無人機運用、自律化を想定した各種ソリューションも公開されました。
この防衛ブランド立ち上げにより、同社は数年にわたり開発、生産、販売、サービスの各能力を拡充していく予定です。戦略も明確にしており、カールスルーエ近郊のラインラント=プファルツ州ヴェルト・アム・ライン拠点を中心に進められ、それに伴い高度な専門人材への需要も高まる見込みです。
また、将来的には、ダイムラー・トラックの車両のみならず、アメリカのウェスタン・スター・トラックスやインドのバーラト・ベンツなど、ダイムラーが保有するほかのブランドのトラックでも同様に軍用のラインナップにいる計画もあるようです。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info




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