「大手私鉄」vs「ローカル3セク線」どっちも終点の地方都市、メイン路線はどっち? 驚きのボロ駅舎 1両単線で“コストコのアクセス”
大手私鉄とローカル3セク線の両方が終点を構える珍しい地方都市。両線を乗り継ぎ“小旅行”を決め込むと、驚きの連続でした。
1両の「レールバス」はけっこう盛況!
甘木鉄道は甘木と鹿児島本線の基山(佐賀県基山町)を結んでおり、博多方面から甘木を目指すならこちらが最短です。築堤の階段を上がってホームに着くと、20時過ぎでも、結構な数の人が列車を待っています。いろんな意味で「非電化・単線のローカル3セク」というイメージを裏切られました。
上下線で同一ホームを共有するので基山へ向かう人もちらほら見られたものの、多くの人は、到着した1両編成のAR300形ディーゼルカーの甘木行きに乗り込みました。西鉄と違い交通系ICは使えないので、整理券をとって乗車します。
この路線では2026年3月に新型の電気式気動車「ARe500形」が導入されたばかりですが、それも含めて、甘木鉄道の案内放送では未だに車両を「レールバス」と呼称しています。
レールバスは国鉄・JR線の三セク化が相次いだ1980年代から90年代に三セク向け車両として多く導入された、自動車用の部品を多く流用したバスくらいの大きさの気動車で、甘木鉄道の呼称は初代車両であるAR100形以来の名残のようです。乗車したAR300形は鉄道車両の趣でしたが、エンジンは日産ディーゼル製のトラック・バス向け直列6気筒ディーゼルエンジンのため、どこか懐かしい、力のある音を響かせます。
「次は、おおいたい、おおいたいです。高速バス乗り換えの方は次でお降りください」。三セクで高速バスの乗り換え案内が放送されるのも珍しいでしょう。小郡の次の大板井駅までは高架区間で、大分道と完全並走しています。そこで、大分道の本線上にある高速小郡大板井バス停に連絡する駅として大板井駅が設けられています。これも三セク転換後の利便性増強策だったとか。
大分道と並行しているのは大きな強みで、2024年には筑前小郡IC至近に「コストコホールセール小郡倉庫店」がオープンし、甘木鉄道の山隈駅がその最寄り駅になりました。コストコに行ける三セク線というのも、なかなか珍しいと思います。
その先の主要駅が「太刀洗」(筑前町)です。旧陸軍航空隊の一大拠点だった太刀洗飛行場跡に建てられた「大刀洗平和記念館」の目の前にあります。そもそも国鉄甘木線は、この太刀洗飛行場への輸送を主目的に、それまで存在した周辺の小鉄道に代わる国直轄の路線として戦時中に開業しました。
列車は終始8割程度の乗車率で20分強を走り、甘木に到着しました。輸送人員では電車2両編成の西鉄のほうが多いのかもしれませんが、三セクのレールバスも負けず劣らずの印象で、何より「筑前」に属する小郡と甘木、「筑後」に属する久留米方面とのあいだで、生活やビジネスでの往来が盛んなことを実感できる小旅行でした。
地元の不動産関係者によると、甘木や朝倉のエリアは、博多にも近く、高速道路に至近なうえ地価も安いことから、いまけっこう注目されているのだそうです。





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