死傷率50%の超危険任務を無人化できるか? 人間が80年やり続けた「鉄条網突破」ドローンに置き換えへ
アメリカ陸軍工兵隊は第2次世界大戦から変わらない鉄条網爆破を、ドローンで安全に実行するべく試験を実施しました。
もっとも危険な任務、それは障害突破
アメリカ陸軍(オレゴン州兵)第41歩兵旅団戦闘団 第741工兵大隊は2026年6月22日、アイダホ州オーチャード戦闘訓練センターで、無人機を用いて有刺鉄線障害を破壊する試験を実施しました。
使用されたのは、ロリカ・テクノロジーズ社製の8枚ローターの重量物運搬ドローン「ミュール28」です。最大200ポンド(90.7kg)のペイロードを持つこの機体に、州兵たちはM1A3バンガロール爆薬を運搬させ、鉄条網上空から投下し、遠隔起爆により突破口を開きました。
M1バンガロール爆薬は、第二次世界大戦当時に生まれた細長い棒状の爆薬であり、鉄条網などの障害物地帯に挿入・爆破することで3~4m幅の通路を啓開することができます。80年間、運用スタイルはほぼ変わらず、工兵が障害に肉薄して設置するものでしたが、重大な危険の伴う作業であることは言うまでもありません。
第741工兵大隊に所属するアンドリュー・ルーカス中尉は「陸軍工兵隊の活動で最も死傷者数が多いものが“突破(ブリーチ)”です」と説明しています。同中尉によると「50%の損耗を覚悟しなければなりません。もし兵士の命の代わりに4万ドル(日本円で約650万円)のドローンが突破してくれるなら、試す価値はあるでしょう」とのことです。
こうした人的損害を抑えるため、アメリカ陸軍では今後、AIによる障害物認識機能を加えて、ドローンが自律的に障害排除を実行できる方法を検討するとしています。





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