夜盲症患者に光を 東急電鉄とHOYAがウェアラブルデバイスを共同開発

夜盲症患者に向けたウェアラブルデバイス「HOYA MW」が2017年12月に発売されます。開発の背景には、HOYAの技術と東急電鉄のバリアフリー社会への実現に向けた思いがありました。

夜は光を発するものしか見えない

 東急電鉄と光学機器メーカーHOYAのメディカル事業部は2017年9月22日(金)、ウェアラブルデバイス「HOYA MW(仮称)」の実用化に向けた記者説明会を開催しました。

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「HOYA MW」デモ風景。HOYA開発の小型カメラで捉えた映像を画像処理ソフトで処理し、装着者の眼前に設置された有機ELディスプレイに投影(2017年9月22日、乗りものニュース編集部撮影)。

「HOYA MW」は、夜盲症患者の暗所視を支援するために開発された、小型高感度カメラを装備するゴーグルタイプのデバイスです。夜盲症とは、暗所や夜間の低照度環境で、目が見えづらくなる疾患。東急電鉄は同社の掲げるバリアフリー対策の一環として、2016年10月からHOYAとともに「HOYA MW」の開発に取り組んでいます。

 両社は2017年9月6日(水)と7日(木)、「HOYA MW」の実証実験を実施。東急電鉄の駅(用賀、二子玉川)構内や、商業施設の二子玉川ライズなどで歩行検証を行い、効果を確認したといいます。

 9月22日(金)に開催された説明会で登壇した、東京都網膜色素変性症協会の土井健太郎会長によると、夜盲症患者は3000人から4000人に1人の割合で存在するとのこと。土井さん自身も夜盲症患者であり、18時過ぎには「クルマのヘッドライトのように光を発しているものしか見えなくなる」と話しました。実証実験に参加した土井さんは、「HOYA MW」を付けた感想を「感動した」と表現しています。

「HOYA MW」の発売は2017年12月の予定で、価格は未定。重さは120gから130gで、1回の充電(2時間)で、3時間動きます。日本全国の夜盲症患者にむけて、東急電鉄では「今後も積極的にバリアフリー化を進めていきたい」と話しています。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 夜妄症ではなく夜盲症では?

    • ご指摘ありがとうございます。 訂正いたしました。