アクロバット飛行は「巨漢力士との戦い」? 体験して身に染みた機内の過酷さと魅力

そこは「飛行機乗りとして最高の到達点」

 内海さんはあえてこの地獄に挑み続ける理由を、「自分の思うように飛行機を制御し操れるというのは、飛行機乗りとして最高の到達点であるから」と言います。またこうした通常とは異なる曲技の世界をよく知っていることは「より安全に飛べることに繋がる」とも語ります。

 一見すると曲技は危険に思えるかもしれません。しかし失速後スピンに入ってしまうことはほかの飛行機でもありうる状況です。パイロットのほとんど全員は機体がスピンに入る前に感じる予兆、スピンに入ったときの急激な変化を知識としては知っていても、それを感じたことがありません。もし曲技においてこれを経験しておけば、万一の際の混乱を予防することができ、適切な回復動作を行えることに繋がるのです。

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「曲技を知ることでより安全に飛べる」と内海さん。写真はイメージ(画像:ウイスキーパパ競技曲技飛行チーム)。

 苦しい曲技飛行を終えた直後、私はもう二度と乗りたくないと思いました。しかしながら後日、落ち着いて曲技飛行を再確認する段になって「空を自由に飛びたいな」という人類共通の夢をかなえてくれたあの快感ほど素晴らしいものは無かったのではないか、という結論に達しました。

 もし再挑戦してみないかと誘われた場合、私はきっと後悔しながら嘘を言うことになるでしょう。「はい大丈夫です。お願いします」と。

【了】

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