世界の超大型ヘリコプターとは? 米露の現役機から大きすぎて使えなかった試作機まで
Mi-26のさらに上? ヘリの本質すら失った超巨大機とは
1967(昭和42)年に初飛行した、ミル・モスクワ ヘリコプター工場製であるV-12「ホーマー」の最大離陸重量はなんと105トン! Mi-26の2倍にも達する超超巨人機であり、定員196名は中型旅客機にほぼ匹敵します。1969(昭和44)年に樹立された40トンを搭載しての飛行記録は、現在もなお50年にわたって更新されておらず、おそらく今後も当分のあいだは王位の座にあり続けるであろうと推測されます。
V-12は大陸間弾道ミサイルの空輸や、非軍事用途として広大なシベリアにおいて飛行場が整備されていないへき地への物資・人員の大量輸送といった任務を想定して開発されました。ところが、操縦性に難があったことや技術的な問題を解決できなかったこと、そもそもあまりにも大きすぎて使いにくいV-12は多用途に使えるというヘリコプターの本質が失われているといった理由から、軍も当時国営航空会社であったアエロフロートにおいても必要とされませんでした。
結局V-12はプロトタイプが2機生産されたのみに終わり、現在はモスクワ郊外のモニノ中央空軍博物館において、見るものすべてを圧倒するその巨体を静かに休めています。
【了】
なかなか面白い。特に米露のそう