コインロッカー不足のワケ 外国人の需要増で数減らす? 「ロッカー以外」のサービスも拡大中
外国人旅行者の増加を背景に、駅などにおける「コインロッカー不足」が聞かれます。鉄道事業者も増設に務めているほか、国としても荷物預かりや配送サービスの整備を推進していますが、解消されるのでしょうか。
「増設」も、「数」としては減っている!?
荷物を預かってほしい人と、その場所を提供する店舗などをマッチングするインターネットサービスが広まっています。そのひとつ「ecbo cloak(エクボ クローク)」を運営するエクボ(東京都渋谷区)によると、「コインロッカー不足を認識したことから、このサービスを思いつき、2017年1月に開始しました」といいます。
確かに、駅や公共施設などで、コインロッカーが空いていないという声も聞かれます。その要因のひとつは、外国人旅行者の急増にあるかもしれません。実際のところ、訪日外国人旅行者数は2012年の段階で約836万人だったものが、右肩上がりで増え続け、2016年には2400万人を突破するまでに急増しています。
そのうち約940万人が大阪府を訪れていますが、大阪市営地下鉄を運営する大阪市交通局も、コインロッカー増設の必要性を認識しているといいます。詳しく話を聞きました。
――大阪市営地下鉄でもコインロッカーが不足しているのでしょうか?
はい。外国からのお客様の増加を受け、2年前から増設しています。需要が特に多いのは、なんば、心斎橋、日本橋など、ミナミの駅です。ただ、ひと口にコインロッカーといっても、不足しているのは特にスーツケースなどが預けられる大型のボックスであり、既存の場所についても小型を減らして大型のボックスを増やしている状況です。ボックスの数(口数)としては、むしろ減っています。
――口数はどのように推移しているのでしょうか?
2017年4月以前と以後の数値でお話ししますと、全133駅で3957口あったのが、3734口となっています。うち、大多数を占める小型については2798口から2482口に減少した一方、中型・大型・特大の合計は1159口から1252口に増加しています。
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大阪市交通局は今後も場所が確保され次第、ロッカーを設置していくといいますが、重点を置いているのは大型のボックスのようです。
コインロッカーの設置や運用管理を手掛けるグローリー(兵庫県姫路市)も「新たな場所への増設もありますが、やはり大型ボックスの需要が大きく、口数としては横ばいか、下がっているでしょう」と話します。加えて、「近年はコイン式ではなく、ICカードなどで利用できるロッカーへの置き換えも増えています。そうした機種では集中制御部を設けるため、数口分が削られてしまうことも影響しているかもしれません」とのことです。
最近はキャリーケースが大型化しつつあるので、コインロッカーでは対応しきれないケースも多い。東京駅やバスタ新宿のように宅配業者が一時預かりをやってくれるケースがあるのでありがたい。飛騨高山などではお土産屋さんが500円程度で一時預かりをやってくれるケースもある。
是非一時預かりをやってほしい観光地が、長崎だ。特定の宿泊施設に泊まる旅客に限り手ぶらサービスがあるが、その他はコインロッカーを利用せざるを得ず、対応できる荷物も限られてるし、数も充分ではない。キャリーケースを引いて路面電車に乗ったり、オランダ坂を歩いたりなど非現実的だ。誰か手を上げてくれないものか。