コインロッカー不足のワケ 外国人の需要増で数減らす? 「ロッカー以外」のサービスも拡大中

さらに増える外国人観光客 2020年以降はどうなる?

 コインロッカー不足を受け、荷物を預けたり、配送したりする方法も拡大しているようですが、一方で訪日外国人旅行者は今後も増え続けることが予想されています。政府は東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に、訪日外国人旅行者数を現在の倍近い4000万人に増やすとしており、前出のグローリーも「(コインロッカー)増設のピークは2020年で、それ以後は横ばいになるでしょう」と分析しています。

 今後もロッカー不足は聞かれるかもしれませんが、2020年以降はどのような状況になるのでしょうか。

 観光庁は「2020年以降の展開について、現在のところ公表できることはありません」としたうえで、「『手ぶら観光カウンター』の整備は、特にオリンピックに向けたものではありません。日本の優れた宅配サービスを外国の方にアピールするという側面もあり、オリンピック後も見据えてサービス基盤を整備しているところです」と話します。

 ecboは「オリンピックに向け外国人の需要は拡大していきますが、同時に、日本人にとって生活に必要なサービスとして認識していただけるよう、アピールしていきたいと考えています。テロ対策などで駅のコインロッカーが閉鎖されることもあるほか、外国人を抜きにしても、渋谷などではふだんからコインロッカーが不足しています。お困りの方をひとりでも多く救えればと願っています」といいます。

 他方、駅などではコインロッカーそのものも変化しつつあるようです。

「宅配業者の再配達を減らす一環として、宅配便受け取り用ロッカーが設置される駅も増えています。当社の製品は、これを既存のコインロッカーに追加で取り付け、共通のシステムで運用できます。この需要は今後も伸びていくでしょう」(グローリー)

 コインロッカーに代わる荷物預かりや配送サービスが一般に広がれば、コインロッカー不足は過去の話になるかもしれません。一方で、駅などでコインロッカーが並ぶ風景も、宅配便用ロッカーの整備によって変わる可能性があるようです。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 最近はキャリーケースが大型化しつつあるので、コインロッカーでは対応しきれないケースも多い。東京駅やバスタ新宿のように宅配業者が一時預かりをやってくれるケースがあるのでありがたい。飛騨高山などではお土産屋さんが500円程度で一時預かりをやってくれるケースもある。
    是非一時預かりをやってほしい観光地が、長崎だ。特定の宿泊施設に泊まる旅客に限り手ぶらサービスがあるが、その他はコインロッカーを利用せざるを得ず、対応できる荷物も限られてるし、数も充分ではない。キャリーケースを引いて路面電車に乗ったり、オランダ坂を歩いたりなど非現実的だ。誰か手を上げてくれないものか。