奇抜さで町おこし? 「ラッピング公用車」が増加中 「痛公用車」も

なんじゃこりゃ! 「痛公用車」、海外でも話題に

 長野県飯田市では、市内で毎年11月に開催されるサブカルチャーとグルメの祭典「丘のまちフェスティバル」の公式キャラクターとして、アニメ調に描かれたマスコットキャラクター「ナミキちゃん」をラッピングした公用車を導入しています。ナミキちゃんをはじめ、さまざまなキャラクターが所狭しと描かれたデザインで、市自らが「痛公用車」と称しているものです。飯田市に話を聞きました。

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市職員もここまで派手な公用車はほかにないと自負する、飯田市の「ナミキちゃん号」。(画像:飯田市)。

――どのような経緯で導入したのでしょうか?

 2016年の第10回目「丘のまちフェスティバル」に合わせ、市内のタクシー会社6社から1台ずつ提供いただき、「ナミキちゃん」をラッピングした「痛タク」に取り組んでいただきました。それをきっかけとして、市民の方にフェスティバルの会場で公用車への公開ラッピングを行っていただき、そのまま寄付いただきました。

――評判はいかがでしょうか?

 注目度は抜群です。「なんじゃこりゃ!」と驚かれ、中国でも話題になりました。「痛車」のイベントに呼ばれることもあり、2017年11月に開催される名古屋モーターショーにも招待されています。そうしたイベント会場に向かう高速道路でサービスエリアに停めているあいだに、見る人が「飯田市だって!」と口にしてくれるので、市のPRにも貢献しています。

――ふだんはどのように使われているのでしょうか?

 市内の各施設間で庁内文書を移送する「逓送(ていそう)車」として、ほぼ毎日走っています。保育園の近くを通れば子どもたちが集まってくるなど、親しまれているようです。

※ ※ ※

 このような「痛車」まで登場するラッピング公用車、いつごろから増えたのでしょうか。

 カーラッピングを手掛けるアキハマ・ブレーンズ・コミュニティー(千葉県松戸市)によると、「公用車に自治体のロゴなどをカッティングシートで貼り付ける程度の依頼は以前からありましたが、フルラッピングはここ4、5年のあいだで増えた」そうです。特に多いのは、深谷市や飯田市のように自治体のキャラクターをラッピングするものだといいます。

「ラッピング公用車が増加した背景には、自治体のキャラクターが増えたことが関係していると思います。というのも、それらキャラクターが一堂に集まるようなイベントが開催されていますが、各自治体はそこに公用車で乗り付けるので、クルマそのものも品評会のようになるわけです。『あそこの自治体はあんなクルマで来ている』と、ほかの例を参考に広がっているのではないでしょうか」(アキハマ・ブレーンズ・コミュニティー)

 今後、さらに奇抜なデザインのラッピング公用車が現れるかもしれません。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 痛車の覆面パトカーがあったら嫌。