駅改札からゲートがなくなる? 開発の最前線から描かれた未来の鉄道の姿とは

車いすだけじゃない 「パーソナルモビリティ」普及した社会見据え

――なぜこのような技術を開発するのでしょうか?

 より快適な将来を見据えてのことです。たとえば、現在でも車いすの方が通りやすい広口の改札はありますが、今後「パーソナルモビリティ」と呼ばれる個人向けの移動支援機器が社会的に普及すれば、ゲートのある改札では通りにくくなると思い、今回の改札システムを開発しました。健常者であったとしても、大きな荷物を持ってICカードを改札にかざしたり、狭いゲートを通り抜けたりするのが大変になることもありますので、こうした方も楽になるでしょう。

――実用化のめどは立っているのでしょうか?

 実際の販売展開は未定ですが、2025年度以降の実用化を目指し、研究開発を進めています。一般の方の意見を集め、課題を洗い出しながら機能を高めていく予定です。

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車内サービス提供ツールの画面イメージ。それぞれの座席で液晶モニターに運行情報などが表示される(画像:三菱電機)。

※ ※ ※

 三菱電機によると、ゲートのない改札システムの技術は、たとえばオフィスビルのセキュリティゲートや、空港などへの応用も考えられるといいます。今回のコンセプトは、鉄道だけでなく、社会の様々な場面に広がる可能性がありそうです。

 なお、これら「将来の駅・車両の円滑で快適な交通システム」の製品は、2017年11月29日(水)から幕張メッセで開催される「第5回鉄道技術展2017」に出展されます。

【了】

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