F-35以外の選択肢はあったのか? 空自の「次期主力機」に挙がった戦闘機とは(写真10枚)

空自の次期主力戦闘機として導入の進むF-35Aですが、その選定過程には、ほかにも候補機が挙がっていました。どんな戦闘機だったのでしょうか。

選ばれなかったほうの理由とは?

 選ばれなかったほうの2機種、F/A-18E/Fとユーロファイター「タイフーン」は、なぜ選定から外れてしまったのでしょうか。

 F/A-18E/Fは、F/A-18C/Dの改良版で、アメリカ海軍とオーストラリア空軍が使用。F-4と同じく艦上戦闘機として開発され、厚木や岩国など在日米軍でも使用されており戦闘攻撃機としてマルチロール性も備えますが、ロシアや中国などの最新鋭ステルス戦闘機に比べると、旧世代の戦闘機に分類されるため性能的優位に立てるかが疑問視されたのではと言われています。

 欧州共同開発のユーロファイター「タイフーン」は、ある程度のステルス性能を有しマルチロール性も高く、また開発側が日本でのライセンス生産も許可し、機密のブラックボックスも設けないと表明、自由度の高い開発と改良が可能でしたが、装備品の情報を開発側に公表する必要があり、機密漏洩が懸念されました。また、自衛隊では初の欧州製戦闘機となるため、整備や生産ラインでの不安要素もあったようです。

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フル装備で離陸する、イギリス空軍のユーロファイター「タイフーン」(2016年、石津祐介撮影)。

「タイフーン」については、戦略的な理由も挙げられるでしょう。

 アメリカは中国などの軍事強化を念頭に、アメリカ軍の軍事的優位性を維持・拡大するために新たな分野での軍事技術の開発を推し進める「第3のオフセット戦略」を掲げており、1992(平成4)年から続いている日米共同の軍事技術研究や開発プロジェクトは、より重要度を増していきます。

 そしてF-35Aの導入決定に伴い、日本企業がエンジンやレーダーなどの製造に参画することが決定しました。これは将来的にF-35の能力向上などの改修が国内で行えることとなります。そしてアメリカ国防総省は2014年12月に、F-35のアジア太平洋地域の整備拠点に日本とオーストラリアを選定したと発表しました。これは、F-35の運用支援体制の確保や防衛産業の基盤維持につながり、日米同盟の強化というメリットをもたらします。

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ステルス性を有したマルチロール機、アメリカ空軍のF-35A(2017年、石津祐介撮影)。

 戦闘機の能力だけで比べるならユーロファイターでも問題ないのでしょうが、日米同盟強化という抑止力の一端として欧州機ではなくアメリカ製のF-35を導入する理由は大きいと言えるでしょう。

【了】

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Writer:

専門誌を中心に、航空機の取材、撮影を行うライター、写真家。国内外を問わず世界各地の空港やエアショーなど取材。航空機以外にも野鳥、アウトドア、旅行など幅広いジャンルの取材を行っている。

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コメント

2件のコメント

  1. F-15を選定する際、一応ミラージュF1やらサーブビゲンやらも候補に挙げたのだが、形だけ。

    それで今回はフランスが嫌気を刺した。

    個人的には、北海道だけサーブグリペンがいいな、と。

  2. (近年導入始動の)F35Aも、(近年実働中の)三菱F2A=F16SXも、単発だが、機体側エンジン室へ、有余を持たせてあり、之を活かした、大径有利なエンジンを提案ならば、安価を提案となり、(韓国-台湾等)近隣地域、(ウクライナ等)黒海諸国、東欧諸国などから、協力を得て、(日米協力等でも)優位を得て、(日米韓連携で)好循環も含め、どうであろうか?

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