ふたつの直通線開業で相鉄は大変化 新駅「羽沢横浜国大駅」の可能性は?

姿を現し始めた羽沢横浜国大駅

 従来、相鉄線沿線から東京方面に向かうには横浜などに出て必ず乗り換えなくてはなりませんでした。ふたつの直通線が開通すれば、都心まで乗り換えなしで行けるようになり、例えば二俣川~新宿間の所要時間は現在の59分から44分に、15分も短縮される見込みです。相鉄・東急直通線には東海道新幹線のアクセス路線という役割もあり、大和~新横浜間は、現行の42分が19分と、実に半分以下の所要時間に短縮されます。長年、横浜周辺の地域輸送を担ってきた相鉄は、横浜、東京、東海道新幹線へいずれも1本で直通できる便利な路線となり、沿線の価値が大きく向上するのです。

 逆に、相鉄・東急直通線の開業後は、横浜方面へ行くのに西谷駅で乗り換えとなるケースも考えられ、相鉄の輸送体系は、2本の直通線の開業によって大きく変わることになります。

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環状2号線側から見た羽沢横浜国大駅の駅舎。向こうに見える住宅地の奥に横浜国大がある(2018年1月18日、栗原 景撮影)。
駅舎内にも既に一部レンガが貼られている。ちょうどこの辺りに改札口が設置される予定(2018年1月17日、栗原 景撮影)。
駅舎内の完成予想図。改札口は1か所で、日中は膜屋根から外光を取り入れる(画像:相模鉄道)。

 さて、JR方面と東急方面の分岐駅となる羽沢横浜国大駅は、地下13mに、2面2線の相対式ホームを備え(線路2線を挟むようにホームを配置)、JR方面の列車と東急方面の列車が、同じホームを発着します。ホームドアが整備され、エレベーター2基とエスカレーター4基も設置される予定。地上の駅舎は、相鉄グループが取り組んでいる「デザインブランドアッププロジェクト」に基づいたデザインで、鉄、レンガ、ガラスなどを使ってデザイン性を向上しています。駅舎の屋根には、外光を取り入れる膜屋根構造を取り入れ、開放感のある空間になる予定です。

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膜屋根は骨組みが完成した段階で、これから本格的に膜が張られていく(2018年1月18日、栗原 景撮影)。
西谷方のトンネルは円形のシールドトンネル。ホームの手前には外光を取り入れる天窓があり、明るい雰囲気(2018年1月17日、栗原 景撮影)。
新宿・渋谷方は四角い開削トンネルで、すぐに地上に出る(2018年1月17日、栗原 景撮影)。

 羽沢横浜国大駅が位置する横浜市神奈川区の羽沢南地区は、これまで鉄道の空白地帯でした。最寄りの相鉄本線・上星川駅や西谷駅、横浜市営地下鉄ブルーラインの三ツ沢上町駅まではいずれも2km前後の距離があり、横浜方面へは路線バスが頼り。上星川駅~横浜駅西口間の相鉄バス「浜11」系統は概ね5~15分間隔で運行され、羽沢南地区最寄りのバス停から横浜駅までを20分ほどで結んでいますが、東京の都心に出るには1時間以上かかります。羽沢横浜国大駅と相鉄・JR直通線が開業すれば、新宿駅まで30分台で結ばれることが予想され、現在とは全く異なる生活圏が誕生します。

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コメント

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14件のコメント

  1. おはようございます。いま、スマホの画像見てたら、cx-3が出てました!早く、新型のrx-7が、発売にならないかな~!!

  2. 1/17に公開されたものを1/29に記事にするのはどうかしてる。
    ここに書かれている内容は、先週他のニュースサイトで読んだ。

    • これできると物凄く便利になるから楽しみ!

  3. 相鉄の一方的なメリットはわかった。今度はJR東日本と、ある意味ハイパーリスク・ノーリターンの東急の意見をうかがってみたいものだ。

    • 新横浜駅に直通するのはメリットだ。周辺の施設へのアクセス向上として。リニア出来たら新幹線駅としての価値は下がるだろうけど。

    • 東急のメリットね。上記は。

    • それくらいはわかる。但し、何をどう考えても、東急が海老名や湘南台まで来るメリットが見受けられない。

    • 小田急の一部旅客を、相鉄東急が直通化で奪えませんか?

      海老名(大和)・湘南台 ➡ 新宿・千代田線?

      [直通]
      (渋谷)副都心線・(目黒)南北線/三田線

      とりあえず上記相鉄線駅から乗換無しで行ける先の選択肢は増えます。実際に流れるかは運賃や直通列車本数などにも依るでしょうが、横浜ショートカットで小田急より速くなる行き先もあるかも。
      ただ流れたら流れたで、その分東急線は混雑ひどくなると思われますが。

      むしろJR直通は、横浜乗換えの時短以外にあまりメリット無いような。貨物線直通と横浜駅経由で混雑に差が出そうなのは、メリットなのかどうか?

    • 相鉄が最初に発表したのはJR直通のみ。
      その頃は湘南新宿ラインもできたばかりでJR側にも余裕があったはず。
      整備も相鉄が自前でやる予定だったから、JRの懐も痛まないし。

      相鉄からの乗り換え客をJRに総取りされるのを危惧した東急は、市を巻き込んで以前より横浜市が計画していた神奈川東部方面線として都市鉄道等利便増進法に適応させて、相鉄が納得できる直通本数を提示した。
      相鉄にとっては乗降客数を回復させるための起死回生という積極的な動機があったんだけど、東急にとってはプラスを増やすというよりはマイナスを増やさないという、どちらかというと消極的な動機で動いたんだと思うよ。

  4. 相鉄の焦燥感もいよいよ最高潮か。
    まごついているうちに小田急に先手を赦す羽目になった。
    JRと相直するからと言って、東急はつい飛びついてしまったが、本当にこれで良かったのか?

  5. 東京メトロ南北線の8両化に向けて鞭を入れるために、東急目黒線へ直通するとかも考えてくれないだろうか…。
    6両編成では南北線南行は六本木一丁目あたりまで混雑がひどいんだよ。

    • 20000系の第1編成が10両編成という時点で、そんな親切心なんか全く、少しも、からっきし、完璧に、小さな欠片すら持ち合わせていない、ということに気づいてほしい。むしろ、東急の乗り入れは全列車この駅止まりにされる可能性の方が極めて大きい。いっそ、相鉄は日吉折り返し、東急は西谷折り返しの方がよほどましな形態かもしれない(実際、新横浜より日吉方面のトンネルは東急サイズで建造)

  6. この駅に関して、最後に一点だけ。
    本来、この駅は重要な貨物駅ですので、工事終了後も当然ながらトレーラや大型トラックが頻繁に通行します。
    くれぐれも、無意味な送迎でそれら最重要の貨物車両の往来を妨げたり、歩行者の注意力欠如でトラックに轢かれたあとで、この道路はトラックが多くて危険だとか、沿線に住み着いて貨物列車の入れ換えの音がうるさい、なんていう全くふざけた事は言わないでください。全部順番が真逆です。
    そもそも、ここの駅の存在自体がJR貨物にとっては最寄り駅以外の価値は全くなく、貨物列車のダイヤを乱す原因として目の敵にされているんですから。

  7. 羽沢横浜国大駅でのJR直通線と東急直通線の分岐について「JR方面と東急方面の分岐のイメージ。羽沢横浜国大駅(写真右下)を発車すると、左右にJR直通線が分岐し、中央の東急直通線は再び日吉までトンネルに入る」と書いてありますが、東急直通線は一度地上に出るのではなくトンネル内で分岐するのだと思います。