ふたつの直通線開業で相鉄は大変化 新駅「羽沢横浜国大駅」の可能性は?

商店ほぼ皆無の駅周辺は、再開発で一変?

 もっとも、羽沢横浜国大駅とその周辺が大勢の人で賑わうには、開業からしばらく時間が必要です。現場見学会の翌日(2018年1月18日)、現場周辺を歩いてみると、駅周辺は住宅こそ多いものの商店はほぼ皆無。駅の東西は横浜羽沢駅によって分断され、東側の住宅街へは、駅の南北にある2本の橋を渡る必要があります。駅名にもなった横浜国立大学の北門までは、狭くて急な坂を上って1kmほど歩く必要があり、また、途中に店は1軒もありません。

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羽沢横浜国大駅の最寄りとなる横浜国立大学北門。駅までは、ここから小さな山をひとつ越えなくてはならない(2018年1月18日、栗原 景撮影)。
大学から駅までの間には学生向けのアパートなどが多いが、商店は1軒もない(2018年1月18日、栗原 景撮影)。
駅の南側は空き地になっているが、将来はここに中高層ビルが並び、商業施設も入る計画だ(2018年1月18日、栗原 景撮影)。

 大学近くの住民に話を聞くと、年配の方を中心に「横浜へ出るのには使いにくいので、利用するかは分からない」といった声が多く聞かれました。この辺りの人々にとっては、出掛けるといえば横浜であり、東京まで1本で行けると聞いても、今はまだ実感が湧かないようです。

 横浜市は、2016年3月に羽沢横浜国大駅を含む「神奈川羽沢南二丁目地区」2.2ヘクタールの都市計画を決定しており、周辺の再開発をスタートさせています。駅の南側には、自由に歩けるコミュニティプロムナードを中心に高さ30~100m程度の中高層ビルが建設され、低層階には飲食店などの商業施設や医療施設、子育て支援などを行う施設が入る計画です。これらの完成時期はまだ明示されていませんが、近い将来、羽沢横浜国大駅周辺は、現在の武蔵小杉駅周辺のような新都心に生まれ変わる可能性を秘めています。

 ふたつの相互直通線と羽沢横浜国大駅の開業によって、相鉄は新たなステージに進むことになりそうです。

【了】

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Writer: 栗原 景(フォトライター)

1971年、東京生まれ。旅と鉄道、韓国を主なテーマとするフォトライター。小学生の頃から各地の鉄道を一人で乗り歩き、国鉄時代を直接知る最後の世代。出版社勤務を経て2001年からフリー。多くの雑誌や書籍、ウェブに記事と写真を寄稿している。主な著書に『東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!』(東洋経済新報社)、『テツ語辞典』(誠文堂新光社/共著)など。

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コメント

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14件のコメント

  1. おはようございます。いま、スマホの画像見てたら、cx-3が出てました!早く、新型のrx-7が、発売にならないかな~!!

  2. 1/17に公開されたものを1/29に記事にするのはどうかしてる。
    ここに書かれている内容は、先週他のニュースサイトで読んだ。

    • これできると物凄く便利になるから楽しみ!

  3. 相鉄の一方的なメリットはわかった。今度はJR東日本と、ある意味ハイパーリスク・ノーリターンの東急の意見をうかがってみたいものだ。

    • 新横浜駅に直通するのはメリットだ。周辺の施設へのアクセス向上として。リニア出来たら新幹線駅としての価値は下がるだろうけど。

    • 東急のメリットね。上記は。

    • それくらいはわかる。但し、何をどう考えても、東急が海老名や湘南台まで来るメリットが見受けられない。

    • 小田急の一部旅客を、相鉄東急が直通化で奪えませんか?

      海老名(大和)・湘南台 ➡ 新宿・千代田線?

      [直通]
      (渋谷)副都心線・(目黒)南北線/三田線

      とりあえず上記相鉄線駅から乗換無しで行ける先の選択肢は増えます。実際に流れるかは運賃や直通列車本数などにも依るでしょうが、横浜ショートカットで小田急より速くなる行き先もあるかも。
      ただ流れたら流れたで、その分東急線は混雑ひどくなると思われますが。

      むしろJR直通は、横浜乗換えの時短以外にあまりメリット無いような。貨物線直通と横浜駅経由で混雑に差が出そうなのは、メリットなのかどうか?

    • 相鉄が最初に発表したのはJR直通のみ。
      その頃は湘南新宿ラインもできたばかりでJR側にも余裕があったはず。
      整備も相鉄が自前でやる予定だったから、JRの懐も痛まないし。

      相鉄からの乗り換え客をJRに総取りされるのを危惧した東急は、市を巻き込んで以前より横浜市が計画していた神奈川東部方面線として都市鉄道等利便増進法に適応させて、相鉄が納得できる直通本数を提示した。
      相鉄にとっては乗降客数を回復させるための起死回生という積極的な動機があったんだけど、東急にとってはプラスを増やすというよりはマイナスを増やさないという、どちらかというと消極的な動機で動いたんだと思うよ。

  4. 相鉄の焦燥感もいよいよ最高潮か。
    まごついているうちに小田急に先手を赦す羽目になった。
    JRと相直するからと言って、東急はつい飛びついてしまったが、本当にこれで良かったのか?

  5. 東京メトロ南北線の8両化に向けて鞭を入れるために、東急目黒線へ直通するとかも考えてくれないだろうか…。
    6両編成では南北線南行は六本木一丁目あたりまで混雑がひどいんだよ。

    • 20000系の第1編成が10両編成という時点で、そんな親切心なんか全く、少しも、からっきし、完璧に、小さな欠片すら持ち合わせていない、ということに気づいてほしい。むしろ、東急の乗り入れは全列車この駅止まりにされる可能性の方が極めて大きい。いっそ、相鉄は日吉折り返し、東急は西谷折り返しの方がよほどましな形態かもしれない(実際、新横浜より日吉方面のトンネルは東急サイズで建造)

  6. この駅に関して、最後に一点だけ。
    本来、この駅は重要な貨物駅ですので、工事終了後も当然ながらトレーラや大型トラックが頻繁に通行します。
    くれぐれも、無意味な送迎でそれら最重要の貨物車両の往来を妨げたり、歩行者の注意力欠如でトラックに轢かれたあとで、この道路はトラックが多くて危険だとか、沿線に住み着いて貨物列車の入れ換えの音がうるさい、なんていう全くふざけた事は言わないでください。全部順番が真逆です。
    そもそも、ここの駅の存在自体がJR貨物にとっては最寄り駅以外の価値は全くなく、貨物列車のダイヤを乱す原因として目の敵にされているんですから。

  7. 羽沢横浜国大駅でのJR直通線と東急直通線の分岐について「JR方面と東急方面の分岐のイメージ。羽沢横浜国大駅(写真右下)を発車すると、左右にJR直通線が分岐し、中央の東急直通線は再び日吉までトンネルに入る」と書いてありますが、東急直通線は一度地上に出るのではなくトンネル内で分岐するのだと思います。