持ち運べる新型オービス、取締りどう変わる? 住宅街も運用可能、警察は大いに期待

恩恵は誰に? 警察が期待するところ

――新型のメリットを挙げるとすれば、どのような点でしょうか?

 いろいろな場所で取り締まりができることでしょう。従来の速度取り締まりは、現場で通過車両の速度を測定し、違反を認定したうえで、その先で待機している警察官に連絡し、違反車を安全な場所に誘導して停車させ、違反切符を交付する――という流れで、それぞれの役割を担当する人員が必要でした。大がかりになるため、取り締まりをしたくても場所が確保できず難しかったところもあります。これに対し新型は違反車を停める必要がなく、いままでできなかった箇所でも取り締まりが実施できます。

 ただ、機器を設置して完全無人で取り締まりを行うわけではなく、実際には機器を監視する人員を配置する予定です。

――やはり期待は大きいでしょうか?

 はい。取り締まりの効率化というよりも、速度の抑制効果に期待しています。このような機器があり、「いままで考えられなかったところでも取り締まりが行われる可能性がある」と知られることで、これまで以上に気を付けて運転していただけるのではないかと思います。ひいてはスピードの抑制、重大事故の防止につながり、もし事故があった場合でも、被害者のケガも加害者の違反も軽くなるでしょう。

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神奈川県警が導入する新型の可搬式自動速度違反取締装置。高さは1mほど(画像:神奈川県警)。

※ ※ ※

 警察庁の資料によると、これまで速度違反自動取締装置が設置された一般道では、実勢速度(規制速度にかかわらず、実際に多くのクルマが出している平均的な速度)が設置前と比べ17.5km下がった例もあるといいます。

 また同資料では新型の取り締まり装置として、今回神奈川県警が導入する「可搬式」のほか、それよりもやや大きな「半可搬式」、そして、従来型と比べるとはるかに小さな「固定式」の3タイプが挙げられています。2016年4月からモデル事業として埼玉県警と岐阜県警に3タイプがそれぞれ導入され、以後、ほかの県警でも可搬式の導入が進められているそうです。

【了】

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コメント

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6件のコメント

  1. 似たようなものを設置して抑止力を期待する、という自治体が出てくるかも。って、下手すれば屋外防犯カメラ連動型も出てくるかも。

  2. トップの写真、どうみてもNシステムなんだけど。

    • ご指摘ありがとうございます。 訂正いたしました。

  3. 移動式オービスがあれば、何処でも撮影できるから速度抑止に期待できるのは確か。
    ロシアでは何かにカモフラージュしたオービス多いからな。

  4. また取り締まりの為の取り締まり装置か、確か?議会でも取り上げられたよね?総重8トン超のトラックに速度抑制装置を付けたように抑制効果と言うなら乗用車にも抑制装置付けたらどうよ、サーキットみたいに出せる環境や法定、制限を車に検知させて追ってそれ以上の速度を抑制させるとか、自動運転を見越すならこれくらいやらないとダメなんじゃないの?アホみたいに高性能を売りに世に出した車が違反してもらわにゃ成り立たん取り締まり自体を見直す時期なんじゃないの?

  5. 取り締まり予告の看板もやはり可搬式のものが作られるのでしょうか