スペースX新型ロケットどこが画期的? テスラ車載せ「ファルコン・ヘビー」打ち上げ

「再利用」の観点から眺めると

 かつては考えられなかったことですが、スペースXでは宇宙に向けて飛ばしたロケットを再び地球の、しかも狙った場所に着地させ、エンジンやブースター(ロケット本体)を再利用することにも成功しています。最初に成功したのは2015年12月で、2016年4月には海に浮かぶベースの上への着地にも成功し回収されています。

 ロケットを飛ばすだけではなく、さらに指定の場所に戻して回収するには極めて高度な制御が必要とされています。さらにそれを再利用して再び宇宙に飛ばすことにも、2017年3月に成功しています。今回打ち上げた「ファルコン・ヘビー」3基のロケットのうち2基も再利用されたエンジンを使っています。

 再利用することで、大幅に製造コストも減らすことが可能です。加えて荷室容量もほかのロケットの倍以上です。「ファルコン・ヘビー」がどれほど低コストに抑えられているかは明らかでしょう。

Large 180207 falcon 04
スペースX社の「ファルコン・ヘビー」(画像:スペースX)。

 また、ロケットを狙った場所に正確に戻せるということは、地球上での移動手段として革命的な進化が生まれます。

 スペースXが公式サイトで発表していますが、「ファルコン・ヘビー」よりさらに大きなロケットの開発が行われており、このロケットを使って最高2万7000km/hというとてつもないスピードで地球上の移動が可能になれば、あらゆる都市間がわずか30分程度で移動できることになります。

 たとえば、現在東京~ロサンゼルス間は一般的な旅客機で約10時間ですが、これが32分に。同じく東京~シンガポール間は7時間少々のところ25分にそれぞれ短縮できるそうです。イーロン・マスク氏はそう遠くない未来に、飛行機におけるエコノミークラスの正規料金並みの値段で実現させたいと考えているそうです。

【了】

この記事の画像をもっと見る(5枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. ようするに、昔からの特撮物とかアニメとか小説とかでは定番で、なおかつ実際には試作機止まりだったテイルシッター型航空機、あるいは宇宙船(サンダーバード1号及び3号、他多数。)が現実になるかもしれない、か。しかしクラスター型衛星打ち上げロケット、原型は旧ソ連で計画されていた(30本以上のロケットの制御の問題で中止)というぞ。