クルマの駆動方式で何が変わる? なぜ乗用車の主流は前輪駆動なのか

クルマの駆動方式である「前輪駆動」「後輪駆動」「四輪駆動」は、どのような違いがあるのでしょうか。また、現在の乗用車の多くが前輪駆動であるのはなぜでしょうか。

特徴はエンジン位置と駆動輪の組み合わせで決まる

 クルマの駆動方式である「前輪駆動」「後輪駆動」「四輪駆動」は、どの車輪にエンジンの動力が伝えられるかを表しています。

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駆動方式に後輪駆動(FR)を採用する日産「フェアレディZ」(画像:日産)。

 それぞれ、走行するうえでどんな特徴があるのでしょうか。長年、運転免許取得の指導にあたり、クルマの挙動に詳しいフジ・ドライビングスクール(東京都世田谷区)の田中さんに聞きました。

前輪駆動

 現在の乗用車で採用されている前輪駆動は、エンジンが前方にあり、前輪を駆動する「FF(Front-engine Front-drive)」方式です。
 
「前方にエンジンや駆動系などが集中するため、ハンドルの切れ角を大きくできず、あまり小回りがきかないという短所がありますが、駆動輪に大きな荷重がかかるため、滑りやすい路面でも駆動輪が空転しにくく、運転に不慣れな方でも比較的コントロールしやすいのが特徴です」(フジドライビングスクール 田中さん)

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左から、前輪駆動(FF)、後輪駆動(FR、RR、MR)、四輪駆動(4WD)で、赤い部分がエンジンと駆動輪を表す(画像:イラストAC)。

後輪駆動

 後輪駆動には、エンジンが前方にあり後輪を駆動する「FR(Front-engine Rear-drive)」、エンジンが前後の車軸の内側にあり後輪を駆動する「MR(Midship-engine Rear-drive)」、エンジンが後方にあり後輪を駆動する「RR(Rear-engine Rear-drive)」の3種類があり、乗用車に多く見られるのはFRです。
 
「FRでは、操舵系は前輪、駆動系は後輪と役割分担ができているため、素直なハンドル操作ができ、小回りもききます。前後の荷重バランスが良いため、乗り心地の良いサスペンションを作りやすいのも特徴ですが、雪道や雨天時などではスピンやスリップが起きやすいという短所もあります」(フジドライビングスクール 田中さん)

※ ※ ※

 なお、かつては一部のホンダ車に「FFミッドシップ」という配置形式も見られましたが、現在では廃止されています。また、「RF(Rear-engine Front-drive)」方式はフォークリフトなどに見られますが、現在の乗用車では採用例が見られません。

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コメント

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3件のコメント

  1. 一口に前輪駆動と言っても多種多彩で特に今主流なのが横置きエンジンに直接ミッションを取り付けて左右不等長ジョイントで駆動する方式
    まあこれが組付けの時に便利で効率が上がると言う話で各社採用をしてるようですがね
    ただ同じ横置きエンジンでも日産チェリーやチェリーのチェンジ版であった初代パルサーは横置きエンジンの前方にミッションを配置した構成だったと記憶しますが、更には初代カローラ2や記事でも触れているホンダのミッドシップは車室の広さを犠牲にしてでも縦置きエンジンミッション方式を採用しましたが
    最近では衝突安全規準の観点からシャシの強度を増すための骨格からして例え前輪駆動と言えど車室が広く取りにくいと言う現実からも後輪駆動の開発が再燃してるのもこの辺りの事情ではないでしょうか?

  2. FFでも昔のサニーとか今のカローラならユニバーサルジョイントの改良で十分なきれ角を確保してますよ
    因みにFRの頃の最小回転半径を実現しております。
    因みに前輪駆動のフロントオーバーハングにV6を搭載するような愚かな車は準中型で運転できるダンプよりハンドルがきれません
    カタログ諸元を見てさえいればデパートの駐車場でジタバタすることも減るのですがね

  3. 四輪同時に横へ動かして縦列駐車も出来る仕様にすべきかと