トンネルの巨大扇風機、風速は台風並み! 何気にすごい「ジェットファン」
「天井板」からジェットファンへの置き換えも なぜ可能に?
――設置間隔や個数はどう決められるのでしょうか?
設置間隔は、ファンの大きさによって一応の基準があります。筒の口径が600mm、1000mm、1250mm、1500mmの4種類があるのですが、たとえば600mmならば80mごと、1000mmなら100mごととされています。ただ、総個数は勾配や通過交通のスピード、交通量の多さなどから決まり、上り坂などアクセルの踏み込みが多くなるトンネルではたくさん設置する傾向です。
――ジェットファン方式は増えてるのでしょうか?
いえ、全体的には減っています。2012(平成24)年に中央道の笹子トンネルで起こった天井板落下事故以降、天井板が撤去されジェットファンに置き換えられたトンネルもありますが、そもそもハイブリッド車などの普及もあって、昔と比べ排気ガスが抑制されてきています。このため、既存のトンネルでジェットファンの設置個数を減らすケースも多いのです。
――天井板からジェットファンへの置き換えは、なぜ可能になったのでしょうか?
これも、クルマの排気ガスが抑制されてきたためです。そもそも天井板はトンネル上部を仕切り、排気路と(外の新鮮な空気を供給する)送気路を設けて換気する安定した方式でしたが、排気ガスが少なくなっていることから、ジェットファンによる方式でも十分と判断されて置き換えられたケースもあります(編集部注:ジェットファンによる方式は通過するクルマなどの影響を受けることもあり、天井板で送排気路をつくる方式よりも換気能力が劣るとされている)。
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ちなみに三井三池製作所によると、笹子トンネル事故以降、ジェットファンを天井から吊り下げている金具を増やしたり、落下防止用のロープが施されたりと、安全対策が強化されているそうです。
【了】
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