陸自新装備は半世紀モノ? 水陸両用車「AAV7」、そもそもどのような装備なのか

陸上自衛隊の新しい部隊「水陸機動団」に配備される水陸両用車「AAV7」は、自衛隊に初めて導入される装備ですが、実はすでに半世紀近い歴史あるものです。どのような装備なのでしょうか。

待ちきれなかった、と言うには多少の語弊がある後継機問題

 ACV計画はAAV7の後継として、タイヤで走行する装輪装甲車と、履帯(いわゆるキャタピラー)で走行する装軌式装甲車の2種類の装甲車を導入するもので、装輪装甲車を先行して導入する計画となっています。

 アメリカ海兵隊はイタリアのイヴェコ社が開発した「スーパーAV」の改良型と、シンガポールのSTキネティク社が開発した「テレックス2」の改良型を最終候補に選定。現在は海兵隊によるテストが行われており、2020年から200両程度の調達が計画されています。

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AAV7を後継する装輪装甲車の最終候補のベース車両となった「テレックス2」。
「テレックス2」は車体後部に2基のスクリュープロペラを備えており、時速約11kmで水上を移動できる(竹内 修撮影)。
「テレックス2」と共にAAV7を後継する装輪装甲車の最終候補となった「スーパーAV」(画像:BAEシステムズ)。

 装軌式装甲車の導入はその後ということになりますが、アメリカ海兵隊は新型装軌式装甲車が導入されるまでの繋ぎとして、イラク戦争などで得た教訓を基にしたAAV7の改良型「AAV SU」の開発も進めています。「SU」は「Surviability Upgrade(生存性向上)」の略で、AAV SUは敵からの攻撃を受けにくく、また受けた場合でも乗員の命を守ることに重きを置いた改良が施されています。

 AAV7の装甲は、最も厚い部分でもその厚さは45mm程度しかなく、機銃弾の直撃や砲弾片からは乗員を守ることができますが、大口径の機関砲弾の直撃や、イラクやアフガニスタンで多用されたIED(即製爆発物)のような兵器による攻撃への防御力は、決して高いとは言えません。またAAV7は水上を自力で移動できますが、その速度は約時速13kmと遅く、水上を移動中に敵の攻撃の格好の的となりやすいという問題も抱えています。

 AAV SUはAAV7A1が装着している波型の増加装甲「EAAK」の代わりに、EAAKよりも防御力が高く、かつそれ自体が浮力を持つ複合材料製の増加装甲の装着と、AAV7 A1より強力なエンジンへの換装により、水上移動速度の向上と防御力の強化を一挙に達成することを目標としています。この新型増加装甲の装着により、AAV7 SUは一見するとAAV7とは別の車輌に思えるほど、姿が大きく変わっています。

 AAV SUは2019年からの運用開始が予定されており、アメリカ海兵隊は2035年ごろまで、AAV SUを運用する方針を示しています。

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