陸自新装備は半世紀モノ? 水陸両用車「AAV7」、そもそもどのような装備なのか

陸上自衛隊の新しい部隊「水陸機動団」に配備される水陸両用車「AAV7」は、自衛隊に初めて導入される装備ですが、実はすでに半世紀近い歴史あるものです。どのような装備なのでしょうか。

後継機は日本製?

 AAV7を後継する装軌式車輌が後回しにされた理由のひとつに、アメリカ国防総省が提示した開発費では、アメリカ海兵隊が要求する性能を充たす車両の開発が難しいため、メーカーが開発に名乗りを上げ難くなっている点が挙げられます。とりわけアメリカ海兵隊が要求している水上移動速度のさらなる向上に不可欠な、小型で強力なエンジンの開発には、各メーカーが二の足を踏んでいるとも言われています。

Large 20180321 01
三菱重工が研究開発を進めている「MAV」の模型(竹内 修撮影)。

 若干手詰まりな状態になっている感もある、新型装軌式水陸両用装甲車の開発計画ですが、ロイターは2015年6月、アメリカ海兵隊とBAEシステムズ社、ジェネラル・ダイナミクス社といった大手メーカーが、三菱重工の「MAV」(Mitsubishi Amphibious Vehicle)に注目し、その技術を導入するのではないかと報じています。

 MAVは三菱重工が将来的に自衛隊へ提案することを前提に研究開発を進めてきた、装軌式の水陸両用装甲車です。AAV7 A1のエンジン(約400馬力)に比べて7倍以上の出力を持つ3000馬力級のエンジンを搭載する計画で、ロイターはこの強力なエンジンによりMAVの水上移動速度は、時速37~46kmに達すると報じています。

 2018年3月時点で三菱重工はMAVを、将来陸上自衛隊がAAV7の後継車輌を必要とする時に備えた、技術の蓄積を目的とする車両と位置付けていますが、将来的には水陸機動団とアメリカ海兵隊が、MAVの技術を活用した水陸両用装甲車を運用する可能性も、あるのではないかと思われます。

【了】

この記事の画像をもっと見る(7枚)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 乗り物ニュースに軍事関係必要か?

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  2. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス