地上から天空へ 熊本駅「全面高架化」の切替作業に密着(写真59枚)

「高架」の「効果」さっそく現れる

 新しい高架ホームを一番最初に出発するのは、5時24分発の豊肥本線・肥後大津行き普通列車。この列車で使う車両を熊本駅に入れるための回送列車の運転も考慮すると、遅くとも5時までにはすべての作業を終わらせなければなりません。限られた時間のなかで、気の抜けない作業が続きます。

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地上線路の切断作業(2018年3月17日、草町義和撮影)。

 切替地点を離れて4時30分ころ、3度目となる熊本駅の白川口を訪ねました。仮設通路は雨よけの屋根も含めてすべて完成。5時少し前に開放され、ほぼ同時に地下通路が閉鎖されました。

 こうして5時24分、全面高架化後の最初の列車となる豊肥本線・肥後大津行き普通列車が真新しい1番線ホームから発車。熊本県知事らが出席する記念の出発式こそ行われましたが、実際に列車に乗り込んだ人は少なく、熊本駅の「新しい時代」は静かに始まりました。

 ただし、在来線の高架化は完了しても、高架化プロジェクト自体はまだ終わっていません。今後は使用を停止した線路や駅舎を撤去し、空いた土地を再開発します。熊本県やJR九州によると、白川口にある駅前広場の拡張工事を2019年度に完了させる計画。2021年ころには白川口の南側に新しい駅ビルがオープンする予定です。

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完成した仮設通路。
熊本駅の新しい在来線ホーム。右側の1~3番線が今回の切替工事で新たに使用を開始した。
廃止された踏切を自動車がすいすい走る。

 全面高架化から9時間後、熊本駅の南側にあった踏切を訪ねてみました。線路は柵で仕切られて遮断機も撤去。警報器の警報灯は黒いビニールで覆われていました。道路の前後では渋滞することなく自動車がすいすいと流れていて、この高架化プロジェクトの効果がさっそく現れています。もっとも、踏切がなくなったことに慣れていない人もいるようで、一部の自動車は一時停止していました。

【了】

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Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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コメント

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2件のコメント

  1. そんなのって、20年以上前から岐阜駅でしてるし、他の駅ではもっと前からしてるだろう。
    そんなありがたがる記事か?

  2. 別に有難い物でもないだろ。
    熊本駅より大分駅や金沢駅、前橋駅の方が高架化早かったし、東北以外の地方都市の駅なら高速化は普通だと思う。
    最も仙台駅が高架化していないのは問題あるがな。