「無印」新宿駅から約400m 西武新宿駅が離れている歴史事情
離れたターミナルにもメリットが
この仮設駅こそ、現在の西武新宿駅です。新宿の北外れとはいえ、ついに新宿への乗り入れを果たしました。村山線は「新宿線」に改称。川越鉄道の時代に開業した東村山~本川越間も新宿線に編入され、現在の西武新宿~本川越間を結ぶ路線になりました。
西武は引き続き新宿駅への乗り入れ計画を進めます。関係機関との調整により、新宿駅の東口に計画された駅ビル(現在のルミネエスト新宿)の北側に乗り入れることが決定。6両編成の列車がふたつ停車できるホームをひとつ設置することになりました。
しかし、西武新宿線の利用者が増え続けたため、6両編成では運びきれないという問題が生じました。ホームを長くする計画に変えることは敷地不足のため難しく、西武鉄道は東口への乗り入れを断念。西武新宿駅を拡張して利用者の増加に対応する方針に転換しました。
ちなみに、1980年代には西武新宿線の線路を複々線化するプロジェクトが浮上します。この計画では、地下に線路を増設。西武新宿駅の地下ホームは、現在の駅よりも新宿駅に近い場所を予定していました。ただ、少子高齢化に伴い西武新宿線の利用者が減少すると見込まれたことや、地下線の工事費用が高騰したこともあり、1995(平成7)年には計画の無期限延期が決まりました。
このように、西武新宿線は都心への乗り入れが幾度となく計画されてきましたが、新宿駅への乗り入れは果たせないまま、いまに至っています。このため、新宿駅から山手線に乗って高田馬場駅に向かい、西武新宿線に乗り換える人も多いようです。
これは逆にいえば、西武新宿~高田馬場間がすいているということ。とくに夕方から夜間にかけてのラッシュ時なら、山手線に乗って高田馬場駅で乗り換えるより、ちょっと歩いて西武新宿駅から乗車した方が始発列車に乗れ、座れる可能性も高くなります。離れたターミナルには、こうしたメリットもあるのです。
【了】
コメントのしようがない。
新宿駅までのルートはどれもロスが多い。
西武新宿に限らず、西武は都市計画や動線設計を一顧だにせず駅や路線を建設するから実にタチが悪い。
今なら新宿への延伸よりも、メトロ東西線へ乗り入れる方が助かる人は多いのでは。
もし早稲田に伸びていたら、西武新宿駅の需要は、新宿駅に集中して大変になるか、それとも、町が分散して、集中を避けられたかな。