陸自「偵察オート」に見る「偵察」というお仕事 熊本地震でも活躍した地上のさきがけ

熊本地震には新潟から駆け付けた部隊も

 普通科連隊の本部には情報小隊という部隊があります。機甲科の偵察部隊は師団長の「目」になりますが、情報小隊は普通科連隊長の「目」となります。そこには数台の偵察オートが配備されていて、必要に応じて乗ることができます。ただ機甲科の偵察部隊に比べ、ジャンプしたり、激しい起伏を乗り越えたりといったことはあまりしないという話も聞いたことがあります。

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ベースとなる市販モデルはあるものの、陸自用にさまざまなカスタマイズがなされている(矢作真弓撮影)。

 最初にもお話ししましたが、偵察オートが最も活躍するのが災害現場です。2016年に発生した熊本地震では、最大震度7を記録する大地震になりました。熊本城は崩れ、多くの家屋が倒壊し、ライフラインも広範囲で遮断されてしまいました。その時も、真っ先に現場に入ったのが偵察オートだったといいます。

 熊本地震の際には偵察範囲が広かったために、地元部隊の偵察オートだけでは足りなかったそうで、遠方の部隊も応援に駆けつけました。筆者(矢作真弓:軍事フォトライター)が取材したなかで一番遠くから応援に来ていたのは、新潟県に所在する第2普通科連隊という部隊でした。この部隊は250ccの偵察オートで約1300kmも自走してきたそうです。本来であれば中型トラックに偵察オートを積載して運んでくるのですが、そうすると自分たちの荷物が詰めないので、わざわざ自走してきたと話していました。

 このように、様々な任務で使用される偵察オートですが、全国の駐屯地記念行事などのイベントで展示される機会も多い車両です。もしイベント会場に訪れた時は、ぜひ間近でご覧になってみてください。隊員さんに偵察オートのことを質問してみるのも面白いですよ。

※記事の一部を修正しました。

【了】

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テーマ特集「【ミリタリー】急げ、救え! 自衛隊「災害派遣」の現場にせまる!」へ

Writer: 武若雅哉(軍事フォトライター)

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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コメント

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4件のコメント

  1. 一般車同士でエンジン音だけなら近接騒音dbそんなに変わらんぞ

  2. もしも日本で内戦が勃発したら陸自は戦車よりバイクを多く運用しそうだな

  3. 乗ってる連中も空挺章とレンジャー章を持ってる本物の猛者。
    あと、北海道の偵察部隊は威力偵察のために74式戦車を持っていた。

  4. 偵察オートのドリル展示のようつべがxgameとかに慣れてしまった外人から俺のがまだ上手い的に酷評されてたけど...