特急に抜かれる「珍現象」あとわずか 迂回特急「ゆふいんの森」 乗車率も回復(写真27枚)
水害による一部不通で、迂回運転をしいられている特急「ゆふいんの森」。半減した乗車率が、回復しているそうです。また、この迂回運転で発生している「珍現象」、体験できるのはあとわずかになりました。
半減した乗車率も回復傾向
博多と大分県の温泉地、由布院方面を結ぶJR九州の特急「ゆふいんの森」は2018年4月現在、2時間10分程度から4時間前後へと、所要時間が長くなっています。2017年7月の豪雨で経路上の橋が流され不通になり、迂回運転を行っているからです。
そのため、「ゆふいんの森」は特急ですが、迂回区間においてダイヤの都合や車両性能の違いから、特急「ソニック」などより速い特急に追い越されるという珍現象も起こっています。
この水害と迂回で、「ゆふいんの森」の乗車率に影響が出ています。ビュッフェを備え、記念撮影のお手伝いなどサービスも充実している、JR九州を代表する観光列車「ゆふいんの森」。約8割と高かった乗車率が、約4割へ半減してしまいました。
しかし、最近は迂回運転の認知度向上、車内への「ゆふ森としょかん」設置や、迂回区間の名店(北九州市「寿司 竹本」)監修弁当の販売といった魅力向上施策などにより、元の約8割まで回復したそうです(2018年3月)。
迂回運転の時刻も2018年3月17日のダイヤ改正で調整され、博多~由布院間の所要時間が最大で1時間38分短縮。同区間を最速3時間38分で結ぶようになりました。
不通区間は、2018年7月14日(土)に復旧する見込み。特急に乗っていて特急に抜かれる珍体験ができるのは、あとわずかです。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
近鉄に名張で特急が特急に抜かれるダイヤ、あったよね