わざと坂道にして掘っている地下鉄トンネル、なぜ? それが省エネになるワケ

地下鉄のトンネルは、地形や地質を考慮し、かつ様々な地下埋設物を避けて掘られます。このため、じつはアップダウンの激しい路線も。比較的新しく建設された路線では、「省エネ」を目的のひとつとして起伏をつけているケースもあるそうです。

駅を浅く、駅間を深くして「省エネ」に

起伏だらけの地下鉄トンネル。この構造が省エネにつながることも(1分27秒)。

 地下鉄のトンネルは、平坦ではありません。ふだん乗っているぶんには気づかないかもしれませんが、ひと駅ごとにアップダウンをくり返すような路線もあります。

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シールド工法でつくられた地下鉄のトンネル。坂になっていることもある(2006年12月、草町義和撮影)。

 その大きな理由のひとつは、地形の問題です。地形の起伏に沿ってトンネルを掘っているため、トンネルも上り下りをくり返します。また、様々な地下埋設物を避けるために起伏が生じるケースも。先に建設された地下鉄はもちろんのこと、たとえば建物や高架道路の基礎、水道管やガス管といったライフラインなど、地下には様々なものが埋まっています。比較的新しく建設された路線ほど深い場所を通っているのは、おもにはこれらを避けるためです。

 一方、東京メトロによると、こうした制約のなか、電車運行の「省エネ」を目的のひとつとして「すり鉢状の勾配」を付けている区間もあるそうです。駅を浅いところに設け、駅間をより深くすることで、電車が駅を出ると下り坂になり加速がつき、次の駅に近づくと上り坂になって停まりやすくなるというもの。勾配が電車の運行を補助し、少ない力で走れるといいます。

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コメント

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8件のコメント

  1. 地下鉄は基本的に各駅停車だけど、有楽町線のSトレインのような通過列車がこの区間を走るとかえって非効率なのかしら??

    • 駅通過時に減速するだろうし、ちょうどいいんでは?

  2. >ちなみに、地上の高架線などで駅間にすり鉢状の勾配をつければ
    >(略)できないことはないと思いますが、やはり地下鉄ならではの構造でしょう
    ゆりかもめ等、新交通システムの一部の駅間で実際にこの構造になっています
    駅舎構造物の都合で駅間より高い位置にホームを作る必要がある、という事情もありますが
    重力加速度の活用という思惑もある…とどこかで読んだ気がします

    • 高架橋の路線でも駅間一般部では下を自動車が通れる必要最小限のクリアランスですぐ上が線路、駅付近ではその位置にコンコース階を設けるために乗り場はもうワンフロア上に、という方針で設計すれば自然と「駅到着時に上り坂でブレーキ、出発すると下り坂で加速」との計算が成り立ちますね。
      地表面の起伏から受ける影響のほうが大きいかもしれないですけど。

    • 地下鉄の場合、駅ホームが浅い位置なら利用者目線でありがたい。
      地上線/高架線の場合、ホームが地表から離れてるのは嬉しくない。
      利便性と省エネとを両立できてるのは地下鉄ならでは。車両故障時はキツい(惰性で駅まで行けない)かもだけど、今は信頼性高くなってるし。

  3. いやいや、すり鉢状の線形の主目的は省エネではなくて火災対策だから。直線にすると駅に向かって一直線に煙が吹き込むし、電気的エネルギーの消費を抑えるのも発火要因を減らすため。

    • なんか駅間で出た煙が傾斜登って駅に集中しそうなのは気のせいか?

  4. 副都心線はアップダウンが激しいため、東急は勾配に弱い9000系を引っ込めざるを得なかったという。そうなのか?